初めてのゲーム制作は短編から!長編に挑戦する前に経験を積もう!

2019/12/15ゲーム制作

まずはひとつ完成させてみよう!
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悩んでいる人

私は最近、個人ゲーム開発を始めました。

ネットで「初心者は短編から制作したほうが良い」という意見を耳にしました。

なぜ短編から作ったほうが良いのですか?教えてください。

こんな疑問に回答します。

article この記事の内容

  • 初心者が短編ゲームの制作から始めるべき理由を解説
  • デビュー作で長編ゲームの制作から始めないほうが良い理由を解説
  • 筆者がゲーム制作の初心者だった頃の経験談
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ドッド工房
ゲーム開発歴15年。ゲーム開発の講師経験あり。20作品ゲームをリリースし、48万DL&Play突破。ゲームコンテストで7回以上受賞。インディーゲームも発売。ツクールやUnity等を使用。

「初めてのゲーム制作は、短編から作るべきか長編から作るべきか」
これはゲーム開発者の間で、ときどき話題になります。

実のところ、人によって意見が分かれます。
しかし、「短編から作ったほうが良い」という意見のほうが多いのは確かです。

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ちなみに私一個人としても、短編ゲームから制作したほうが良いという意見です。

ゲーム制作者歴15年で、短編も長編も作ったことがあるうえでの結論です。

では、なぜ短編から制作したほうが良いのか?
初心者が長編から制作しないほうが良い理由は?

これらをわかりやすく解説していきます。

この記事を読めば、短編ゲームから制作すべき理由を知ることができます。
それではご覧ください。

初心者が短編ゲームの制作から始めるべき理由

完成させなければ 見えてこないことが沢山ある!

まず、初心者が短編ゲームの制作から始めるべき理由を解説します。

下記のとおりです。

  • 短い期間でも完成まで制作可能だから
  • スキルを習得するのに効率的だから
  • あなたの苦手な作業を知れるから
  • 各工程にかかる時間を知れるから

それぞれ解説していきます。

短い期間でも完成まで制作可能だから

短編ゲームなら、短い期間でも完成まで制作できます。

なぜなら、ゲームの規模(ボリューム)が小さく、作業量を少なく済ませられるからです。

ゲームはプログラムだけでなく、グラフィックや音声データも用意する必要があります。

また、ストーリーがあるゲームでは、キャラクターやシナリオなども考えて制作しなければいけません。

規模の小さいゲームなら、これらの用意すべき量が少なく済みます。
つまり、作業に必要な時間と労力が多くないのです。

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また、テストプレイやデバッグ(バグや不具合の修正)にかかる時間や労力も少なく済みます。

個人でも少ない労力で、品質の高いゲームを作ることが可能です。

なので、短編ゲームなら短い期間でも完成まで制作可能であるといえます。

ゲーム制作に慣れていない初心者の方でも、無理なく、挫折せずに取り組めるのです。

スキルを習得するのに効率的だから

短編ゲームを制作するほうが、スキル(知識や技術)を習得するのに効率的です。

なぜなら、PDCAサイクルを回しやすいからです。

ゲームを企画し、開発し、フィードバック(評価や感想)をもらい、改善して次回作につなげていく。

この繰り返しは、ゲーム開発者として成長するのに非常に重要といえます。

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短編ゲームであれば、すぐに制作できてすぐにリリースできます。

つまり、上記の繰り返しを短いスパンで行うことが可能なのです。

なので、短編ゲームを制作したほうが、スキルを習得するのに都合が良いといえます。


特に初心者の場合は、率直に言って下記のことをまだ理解できていません。

  • どう作れば上手くいくのか
  • どうすればユーザーに喜んでもらえるのか

上記のことを知っていくには、数をこなしていくほかありません。

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基本的に、一人で考え続けて作っても、独りよがりなゲームが完成するだけです。

したがって、初めのうちは短編ゲームを制作するほうが、スキルを身に着けるのに効率的といえます。

あなたの苦手な作業を知れるから

短編ゲームの制作は、あなたの苦手な作業を知るのにうってつけです。

短編ゲームは短期間で制作することが多いので、各作業にかけた時間に対して得られた成果を計測しやすいからです。

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つまり、あなたがどの作業に苦労したか、どの作業の効率が悪かったのかに容易に気づけます。

これが長編ゲームの制作の場合、計測が難しくなります。

どの作業に対しても時間がかかるので、気づきにくくなるのです。

なので、短編ゲームの制作は、苦手な作業を知るのに適しています。

ゲーム開発を始めたてのうちは、自身の苦手な分野を知りません。

そんな状況でいきなり長編ゲーム制作に取り組めば、きっと苦労して挫折を味わうことになるでしょう。

各工程にかかる時間を知れるから

短編ゲームを制作することで、あなた自身の各工程にかかるおおよその時間を知れます。

  • ゲームシステムの開発にどれくらいの時間がかかるのか
  • CGやSE素材を制作するのにどれくらいの時間がかかるのか
  • デバッグにどれだけ時間がかかるのか

こういった作業にかかる時間を把握しておけば、計画的にゲーム開発できるようになります。


短編ゲームの開発では、基本的に短期間で作れるので計画的に作るまでもないかもしれません。

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しかし、長編ゲームの制作では、計画を立てることが重要になってきます。

もし、計画を立てずにだらだらと作っていると、いつまでたっても完成しません。

モチベーションも低下していき、作るのをやめてしまう可能性もあります。

なので、初めのうちはまず短編ゲームを制作し、各工程にかかる時間を把握するのが重要なのです。

デビュー作で長編ゲームの制作から始めないほうが良い理由を解説

次に、1作目で長編ゲームの制作から始めないほうが良い理由も解説します。

下記のとおりです。

  • 完成まで制作するのに膨大な時間と労力がかかるから
  • 作品の内容が独りよがりになりやすいから
  • 制作の途中で挫折するリスクが高いから
  • 完成させても遊んでもらえない可能性が高いから

順番に説明していきます。

完成まで制作するのに膨大な時間と労力がかかるから

長編ゲームを制作する場合、作業に膨大な時間と労力が必要となります。

制作すべき素材やシナリオの量が多いからです。

また、短編ゲームの制作と比べ、テストプレイやデバッグする箇所も増えます。

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果たして、初めてのゲーム制作で、いきなりすべてをこなせるでしょうか?
率直に言って難しいといえます。

どうすれば上手くいくのか、どうすればウケるのかも分かっていない状況です。

そんな中、初心者が年数をかけて続けられるでしょうか?

なので、ゲーム制作に慣れないうちは、長編ゲームの制作はおすすめできません。

短編ゲーム制作を通して、己の実力や限界を知ったうえで挑戦することをおすすめします。

作品の内容が独りよがりになりやすいから

長編ゲームを制作する場合、作品の内容が独りよがりになりやすいです。

なぜなら、長い時間をかけて孤独に作り続けることになるからです。

つまり、短編ゲームのようにPDCAサイクルを回すのは難しいといえます。

フィードバックをもらって改善するという流れを、経験できる機会が少ないのです。

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率直に言って、独りよがりな作品は世間一般にはウケません。

たとえ手に取ってもらえても、途中で投げ出されて低評価を受けるのがオチです。

これを避けるには、ユーザーからフィードバックを受けて改善案を考える経験が必要になります。

要するに、ユーザーの遊びたいものを肌で感じたうえで作るのが重要になるのです。

なので、独りよがりではない長編ゲームを制作するには上記の経験が必要です。

ゲーム制作に慣れないうちは、短編ゲーム制作で経験を積みましょう。

制作の途中で挫折するリスクが高いから

長編ゲーム制作は、制作の途中で挫折するリスクが高いです。

なぜなら、完成までにかかる時間と労力が膨大だからです。

率直に言って、中級者以上の方でも完成させるのに苦労します。

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初心者の方がそれよりも苦労せずに完成させられるとは、到底考えられません。

長編ゲーム制作は長い孤独との戦いです。
さまざまな不安を抱えながら、開発を続けていくことになります。

  • 「本当に完成できるのかな?」
  • 「これで本当に面白いのかな?」

こういったことを悶々と考えながら、ひたすら手を動かしていく必要があるのです。

なので、長編ゲームの制作は、初心者の方には難度が高いといえます。

開発の途中で挫折する可能性が高いので、まずは短編ゲーム制作で様子をみるのがオススメです。

完成させても遊んでもらえない可能性が高いから

たとえ長編ゲームを完成させてリリースしたとしても、遊んでもらえる可能性は低いです。

なぜなら、基本的に初心者のうちは、クリエイターとしての知名度がゼロに等しいからです。

つまり、期待していたほど遊んでもらえないことのほうが多いのです。

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有名人やインフルエンサーなら話は別です。

しかし、名も無き一般人が初めてゲーム開発に挑戦しているのなら、まずダウンロードしてもらえません。

なので、同じ時間をかけるなら、まずは短編ゲームをたくさん制作したほうが得です。

複数のゲームをリリースしていけば、口コミされてファンもつき、知名度も上がっていきます。

つまり、知名度が上がってから長編ゲーム制作に挑戦したほうが、遊んでもらえる可能性も高まるのです。

モチベーションも維持しやすいといえます。

したがって、知名度が無いに等しい初心者が、努力して長編ゲームを完成させても遊んでもらえる可能性は低いです。

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1作目でいきなり長編で成功している方は少数。

率直に言って、別名義で活動していた元経験者か、運の良い天才と考えたほうが良いです。

筆者がゲーム制作の初心者だった頃の経験談

私がゲーム制作を始めた頃の経験談を少しだけお話ししましょう。

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実のところ私は、最初に制作したゲームは短編ゲームではありませんでした。

「短編ゲームから制作したほうが良い」という意見は耳にしていました。

しかし、当時の私はロマンを優先して、長編ゲームの制作にチャレンジしたのです。

「作りたいものを自由に作るのが一番良いだろう!」という考えで制作していました。

ところが半年間くらい続けて、途中で挫折を味わうことになりました。

多すぎる作業量に嫌気がさし、疲れも生じたほか、どうやって作れば良いか迷うことになったのです。

そして結局、そのゲームの開発は中止しています。


その後は、世間で言われていた通りに、短編ゲームの制作にシフトしました。

そして当時の名義と現在の名義も込みで、20作品以上のゲームをリリースしてきました。

ゲームを公開するたびに、ユーザーからフィードバックを受けては改善を繰り返しました。

そうして少しずつ、知識や技術を身に着けていったのです。

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ちなみに、そのうちの1作品は、クリアに5時間以上はかかる長編ゲームです。

複数の短編ゲームを制作できたからこそ、完成できたゲームであると、今の私は考えています。

あなたや他の方が、私と同じようになるかは分かりません。

しかし、初心者がいきなり長編ゲームを制作するのは、まず基本的に「険しい道のり」になるということはお伝えしておきます。

まとめ

いきなり長編は失敗しやすい!短編を作って経験を積もう!

以上の理由と私自身の経験から、初めてのゲーム制作は短編ゲームから取り組んだほうが良いと断言します。

初心者の方は、まず短編ゲームを複数制作してリリースしましょう。

そうやって経験を積んだうえで、長編ゲーム制作にチャレンジすることをおすすめします。

つまり、長編ゲームの制作は、ゲーム開発に慣れた中級者以上の方におすすめです。

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あくまで私の所感ですが、完成させたゲームが5作品以下なら、まだ短編ゲーム制作にとどめておいたほうが良いでしょう。


さて、これからゲームを作り始めるあなたに向け、ゲームの作り方を解説した記事を書きました。

作り方や作業の流れを知っておくだけでも、あなたの失敗するリスクを減らせます。

参考にご覧ください。
»ゲームの作り方【初心者向け・個人制作に必要な知識を解説】