創作がつらいあなたへ:スランプを抜け出してやる気を取り戻す方法


創作活動を続けるのがつらくて苦しくなりました。
うまくいかなくてストレスになっています。
最初は純粋に楽しめていたのです。
自分の好きなものを自由に作れて、やる気も満ち溢れていました。
でも、他人の作品と比較するようになって、自分には大した才能がないことを実感してしまいました。
「人々に認められる作品を作らないといけない」
「もっとたくさん売れる作品を作らないといけない」と考えるようになり、焦燥感にも駆られています。
なんだか創作するのがつまらなくなりました。
どうしたらまた創作のやる気が出ますか?
どうしたらまた創作を楽しめますか?
実際に創作活動をしている人から、やる気を出す方法を知りたいです。
こんなご要望にお応えします。
この記事の内容
- 私がこれまでの創作活動で経験したつらくて苦しい出来事をご紹介
- 私が創作のスランプを抜け出してやる気を出した方法を解説

昔は創作するのが楽しかった。
しかし、だんだんと楽しめなくなり、つらくて苦しい思いをするようになってしまった。
あなたのお気持ち、私もわかります。

この記事の冒頭の「悩んでいる人」の吹き出しの文章は、私の実体験に基づいているからです。
そんな私ですが、15年以上は創作活動を続けています。
つまり、スランプを抜け出し、なんとかやる気を出して続けてきたのです。
今回はそんな私からあなたへ、私の経験に基づいた創作のやる気を出す方法をお伝えします。
それではご覧ください。
私がこれまでの創作活動で経験したつらくて苦しい出来事

まずは、私(ドッド工房)の経験談をお話ししましょう。
私は作品を創ることを愛しています。
単に好きというレベルではありません。

青春だけでなく、人生を創作活動に捧げて振り回されています。
実際、私は幼少の頃から現在まで、さまざまな創作活動をしてきました。
ゲーム制作、イラスト制作、小説の執筆、詩の執筆、CG制作など。
表で表すとこんな感じです。
4~5歳の頃 | クレヨンで絵や絵本を描いて、友人に見せていた。 |
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低学年の頃 | 放課に自作の4コマ漫画を描いて、友人やクラスメイトに読んでもらっていた。 |
高学年の頃 | PCを使い始めて、ゲーム制作を始めるように。 |
中学生の頃 | ゲーム制作やイラスト制作に没頭し、ネット上での公開を本格的に開始。 |
高校生の頃 | 文芸部に入って小説や詩の執筆も始め、小説投稿サイトにも一時期公開。 |
大学生の頃 | ゲーム開発とCG制作に本格的に注力。 |
社会人の現在 | インディーゲーム開発やブログ記事の執筆を仕事にする。 |
このとおり、さまざまな創作活動をしてきたので、私はいろいろな経験をしてきました。
書いた詩が県で上位入選したり、ゲームコンテストで複数回受賞したり。
ゲームのDL&プレイ数が48万回を達成したりと、創作活動を通して嬉しかった経験はたくさんあります。
しかし、創作活動を通してつらくて苦しい経験もしてきました。
ゲーム制作を始めた最初の3年間は失敗続きで酷評や嫌がらせを受けた
私は、ゲーム制作を始めた最初の3年間は失敗続きでした。
当時の私は、ゲーム開発やシナリオ制作の技術がかなり未熟で、表現したいものを上手く作れませんでした。
しかも、適切なゲーム投稿サイトも知らず、結構マイナーなサイトで投稿していたので、全然遊んでもらえませんでした。
その後、中学生になってふりーむ!というサイトで、自作ゲームの投稿を始めます。

すると、それまでの数倍の人々に遊んでもらえるように!
しかし、公開したゲームに対し、数々の酷評コメントが書き込まれました。
中には作品の酷評に留まらず、作者である私の人格を否定するようなコメントも送られてくるように。
また、なりすましされて嫌がらせされたこともありました。
私がやってもいないことを捏造されて、貶めようとする方がいたのです。
当時は今のように、ネット上での誹謗中傷や犯罪が大きく問題視されていませんでした。
また、当時の私が手掛けていたジャンルが、たまたま流行に乗っていた時期だったのも要因の一つです。
要するに、流行に便乗して人気を得ようとしている目障りなガキだと思われたのでしょう。
今考えるとあれはきっと、他のゲーム作家によるコメントの可能性が高いです。
当時の私はまだ中学生でしたので、見ず知らずの人たちからの「悪意」に恐怖を感じる日々を送っていました。

「なんでゲームなんて作って公開してしまったのだろう」と悩み、人間不信に陥りました。
そして鬱になって自暴自棄になり、何もかもやめようとしました。
元々私は、そこまで明るい性格ではありませんでした。
しかし、この出来事が拍車をかけて、いっそう暗い性格になりました。
学校でも教室のカースト上位の不良グループに目をつけられるようになり、いじめを受けるようになります。
つまり、創作活動がきっかけで、私の中学時代は暗黒に包まれたのです。
10代の頃に2年以上かけて作っていたゲームの制作を中止した
私は10代の頃、開発に2年以上かけていたゲームの制作を中止したことがあります。
ちなみに、私のX(旧Twitter)では、このゲームの話題を投稿しています。
『コドクメイド』というタイトルのゲームです。
ドット絵やシナリオ、アイテム画像やメニュー画面なども注力して制作していました。
しかし、どうしても実現したい演出で処理落ちが発生してしまい、技術不足とソフトの性能限界で直せませんでした。

その後、ゲーム制作ソフトを変えましたが、あまりのショックで作り直す気も起きず、制作中止に。
大人になってからの2年という期間は、そこまで長く感じないかもしれません。
しかし、10代で体感する2年間は結構な長さです。
「僕は何のためにゲームを作っていたんだろう…」と悩み、かなり落ち込みました。
実をいうと、私はこのゲームの制作に没頭したことも起因して、大学受験で失敗しています。
自業自得ではありますが、模試判定では行ける可能性があった国立大の入試で落ちました。

結局、滑り止めで受けていた地元の私大に進学です。
要するに、2年以上創作に捧げた努力が無駄になり、さらにはその創作がきっかけで人生設計が割と崩れたわけです。
※でも、その大学で良き友人を得られたので、今となっては悪くはないと思っています。
ゲームコンテストで受賞を目指して制作したゲームが受賞できなかった
私はこれまでに、ゲームコンテストで7回以上(別名義を含めると8回)受賞しています。
しかし、公開した自作ゲームの数は、別名義の公開作品も含めると20タイトル。
受賞を逃した作品も実は結構あります。
努力して制作したゲームで受賞できなかった時は、本当に悔しい思いをしました。

「どうしてあの人の作品は受賞できて、僕のゲームは受賞できなかったんだ」と独りで落ち込みました。
これがきっかけで、自分の作品を他人の作品と比較するように。
すると、自分よりも時間や労力をかけずに作ったゲームで受賞し、多くの方に遊ばれている作品も知ることになります。
私は越えられない「才能の壁」を目の当たりにしました。
そこで自分には、大した才能がないことを実感したのです。
そして、「人々に認められる作品を作らないといけない」と思うようになります。
つまり、人々に認められなければ価値はないと考え、作品をつくるようになったのです。

こうして自己満足で創作していた以前に比べ、私は創作活動を純粋に楽しめなくなりました。
自作ゲーム販売を通して、売れる作品を作らないといけないと考えるようになった
私は個人でゲームを制作して販売しています。
『Efframai III エフレメイ3』というホラーゲームです。
それなりには売れて、高性能なパソコンを複数台は購入できるくらいの売上があります。
しかし、私はまだまだ全然だと痛感し、焦燥感に駆られています。
個人制作にも関わらず、もっと売れている他の作品を目の当たりにしているからです。
私は自作ゲームの販売を通して、「もっとたくさん売れる作品を作らないといけない」と考えるようになりました。
つまり、「自分が作りたい作品よりも、売れる作品を作らないといけない」と考えるようになったのです。
それからの私は、作品を作っては削除するという行動を何度も繰り返すようになりました。
要するに、試しに作ってみて「これでは売れない」と感じたら、削除して一から作り直すという行為を繰り返したのです。

そうして私にとっての創作は、ひどく苦しいものに変わりました。
いわゆるスランプに陥ったのです。
私が創作のスランプを抜け出してやる気を出した方法

前述したとおり、私は創作がつらいと感じるようになり、スランプに陥りました。
しかし、現在の私はスランプを抜け出し、新たな作品の制作に心を燃やしています。

実際、『かよわき死神』という新作ゲームを制作しています。
そこで、ここからは創作のスランプを抜け出して、やる気を出す方法をお伝えします。
その方法とは、創作や自作品に対する考え方を改めたことです。
順番にお伝えしていきます。
誰かを1人でも楽しませたら、その作品には価値があると思うようにしよう
まず、あなたの作品で誰かを1人でも楽しませたら、その作品には価値があると思うようにしましょう。
誰かがあなたの作品で楽しいと感じたのです。
普通に考えて、あなたの作品に価値が無いわけがありません。
「人々に認められていないから価値がない」
「たくさん売れていないから価値がない」

率直に言って、そんなことはありません。
もし無価値だと言うなら、あなたの作品で楽しんだ方を否定することになります。
1人でも楽しませたということは、それには価値があったということです。
なので、もし自作品が無価値だと考えているなら、考えを改めてください。

安心してください。
誰か1人でも楽しませたら、あなたの作品には確実に価値があります。
作品を公開していれば、必ず1人はファンがいると考えよう
次に、作品を公開していれば、必ず1人はファンがいると考えましょう。
あなたの作品を面白いと感じる方、あなたの作品が心に刺さる方は絶対にいます。
なぜなら、世界にはさまざまな性格の人間がいて、それも数多く存在するからです。

逆に、ファンがいないと考えるほうが難しいです。
なので、「ファンがいないから作るだけムダ」なんて事は決してありません。
作品を世に出していれば、あなたの作品のファンは必ずいます。

あなたはファンのためにも、作品を創り続けましょう。
「つまらない」などの批判的な評価を過剰に気にする必要はない
創作活動を続けていると、作品に対して「つまらない」「面白くない」といった批判的な評価や感想を受け取ることもあるでしょう。
しかし、批判的な意見を過剰に気にしすぎることはありません。
むしろ「面白かった」「楽しかった」という肯定的な意見を気にするようにしましょう。

あなたの作品が、少なくとも誰かを楽しませたのです。
そのことをまずは誇ってください。
基本的にクリエイターは、肯定的な意見よりも否定的な意見を気にしてしまうことが多いです。
たとえ肯定的な意見が過半数を占めている場合でも、少数派の否定的な意見を気にしてしまったりします。
しかし、実際のところ、そこまで深刻に考える必要はありません。
その方にとって、あなたの作品がただ「合わなかった」だけだからです。
前述したとおり、世界にはさまざまな性格の方がいます。
人によって感性や知識量なども違いますし、すべての方を同じ作品で楽しませることなんて不可能なのです。
したがって、高評価や低評価の数値も、あなたの作品に合う方が「多かったか少なかったか」でしかありません。
「面白い」と「つまらない」といった意見は、あくまで個人の感じ方に基づくもので、単なる主観に過ぎないのです。
また、単にあなたの作品を攻撃して、自尊心やマウント欲などを満たしたかっただけの場合もあります。
率直に言って、そういった方に対してあなたの時間や労力をかけるのはムダです。
なので、あなたの作品に肯定的な方たちに意識を向けましょう。
そして、「ファンにもっと楽しんでもらえるような作品を制作しよう!」と考えていくほうが合理的です。

愛なき批判は無視で良い。
こんなマインドで創作活動を続けてください。
創作活動においても、継続は力なり
創作活動においても、作品制作は地道に続けていくことで徐々に上達していきます。
そして、かつては作れなかった作品も作れるようになり、良い結果を得られやすくなります。
たとえ今は上手く作れなくても、急がず長期的に、自己改善と研鑽をしていけば大丈夫。
努力するあなたはいずれ、より良い作品を制作することが可能になります。
実際に私も、最初は表現したいことを上手く作品に落とし込めませんでした。
イラストなども上手く描けず、制作したゲームにいただく評価も散々でした。

しかし、15年続けた現在は、それなりに作れるようになったと自負しています。
イラストもマシに描けるようになり、数多くの方に遊んでもらえて好評もたくさんいただけるようになりました。
なので、あなたも諦めないでください。
焦らずゆっくりと、あなたにできるペースで創作を続けていきましょう。
続けるだけでもライバル作家を追い抜ける
実は続けているだけでも、一定数のライバル作家を追い抜くことができます。
たとえ創作の才能があったとしても、ずっと飽きずに続けられる方はそんなにいないからです。
つまり、自ずと創作活動に飽きたりして引退していきます。
実際、私がゲーム制作を始めた初期の頃にいた作家の大半は、創作活動から離れていきました。
つまり、大した才能がなくても長く続けていくだけで、才能のあるライバルにある程度は勝てるのです。
なので、あなたもライバルがいるなら、その方よりも長く創作活動を続けてみましょう。

そして、いずれ打ち負かしてやれば良いのです。
まとめ:周りを気にしすぎず、マイペースに創作しよう
以上が、私の経験に基づいた創作のやる気を出す方法でした。
周りをあまり気にしすぎず、もっとあなたの作品をあなた自身が誇ってください。
あなたの作品はあなたにしか描けません。
あなたの作品を今もきっと、世界の誰かが待っています。
焦らずゆっくりコツコツと、マイペースでやっていきましょう。
そして、あなたのファンのためにも、創作活動を続けてください。

実のところ、やる気はやり始めないと出ません。
なので、とりあえず手を動かしてみるのが重要です。
ちなみに、私と同じくゲーム制作をしている場合は、以下の記事もご覧ください。
個人ゲーム制作のモチベーションの上げ方を解説しています。
»個人ゲーム制作のモチベーションの上げ方を15年続けた開発者が解説