自作ゲームを翻訳する方法【ローカライズで海外進出を狙おう】


制作した自作ゲームを、海外の人にも遊んでもらいたいです。
でも、日本語以外の言語にはあまり自信がありません。
努力して開発したゲームなので、なるべくおかしな翻訳文にはしたくありません。
自作ゲームを簡単に外国語対応する方法を教えてほしいです。
こんなご要望にお応えします。
この記事の内容
- 自作ゲームを翻訳する方法を3パターン解説(個人ゲーム開発者向け)
- 自作ゲームを翻訳して外国語に対応するメリットを解説

あなたも自作ゲームを「海外の人にも遊んでもらいたい!」と考えたことは、一度はあるかと思います。
海外の人に気軽に遊んでもらえるようにするには、ゲーム内テキストをその国の言語に翻訳する必要があります。
しかし、義務教育で学ぶ英語ならまだしも、中国語やスペイン語、フランス語などに翻訳するとなると「難しい」と感じる方も多いはずです。
特に、セリフ量が少なくないシナリオ重視のゲームの場合、自力で翻訳するのは困難に感じるかと思います。

細かいニュアンスなどを違和感なく正確に翻訳するには、相当の知識と労力が必要です。
そこでこの記事では、ゲーム制作をしているあなたに向けて、自作ゲームを翻訳する方法を解説します。
外国語の知識がなくても手軽に翻訳できる方法をお伝えするので、今すぐ実践可能です。
この記事を読み終えたとき、あなたは自作ゲームのローカライズに取り組めるようになることでしょう。
それではご覧ください!
自作ゲームを翻訳する方法3パターン(個人ゲーム開発者向け)

さて、自作ゲームを翻訳する方法(ローカライズする方法)には、主に3パターンあります。
下記のとおりです。
- 翻訳ツールなどを使って、自力で自作ゲームを翻訳する
- スキルのある人に、自作ゲームの翻訳を依頼する
- 海外ファンに自作ゲームの翻訳をお願いする
順番に解説していきます。
方法①:翻訳ツールなどを使って、自力で自作ゲームを翻訳する

まずはじめに、翻訳ツールなどを使って自力で翻訳する方法からお伝えします。
おそらく多くの方が真っ先に思いつく手段だと思われます。

かつての機械翻訳は、お世辞にも精度が高いとは言えない性能でした。
誤った翻訳をされたり、不自然な表現で翻訳されることもしばしば。
でも現在では、下記のようなAIサービスで翻訳することが可能になり、以前よりも精度が高くなりました。
- DeepL翻訳
- Google 翻訳
- Gemini
- ChatGPT
この中でも特に、ゲーム内テキストは「ChatGPT」または「Gemini」で翻訳するのをおすすめします。
キャラクターのセリフなど、カジュアルな文章の翻訳精度が比較的高いためです。
まず、命令文(プロンプト)で具体的なキャラクター像を指定します。
その後に翻訳したいセリフを入力することで、そのキャラクター像に割と沿った口調で翻訳してくれます。
対して、ゲームフォルダに同梱するReadme(説明書)の文章は、「DeepL翻訳」を使うのを推奨します。

このようなフォーマルな文章は、実際の使用感としてDeepL翻訳のほうが優れている印象です。
翻訳ツールで自作ゲームを翻訳するのには欠点もある
ただし、翻訳ツールは無料で使えて便利な反面、実は以下のような欠点もあります。
- 翻訳抜け(一部の文章が翻訳されない現象)がときどき発生する
- 日本特有の文化的な表現(慣用句やジョークなど)や魅力的な言い回しを、上手く翻訳できない場合もある
- ゲーム特有の用語(「HP」や「MP」など)が、正確に翻訳されないことがある
- 直訳に近い表現になり、ゲームの雰囲気にそぐわない訳にされることもある
つまり、翻訳された文章に違和感や誤りが発生していないか、自身である程度は気づける必要があります。
また、機械翻訳の場合は他の国でNGとされている表現も含め、そのまま翻訳してしまう場合もあります。

実は、日本では許容される表現でも、海外ではNGとされる表現も少なくありません。
たとえ命令文で「その国でNGとされる表現は翻訳に注意して」と伝えたところで、正確に翻訳できる保証はありません。
つまり、翻訳ツールはあくまで、「海外の人にも一応読める程度の翻訳ができるに過ぎない」と考えておいたほうが良いでしょう。
ゲームの表現規制が厳しい国もあるので、安易に機械翻訳に頼ったローカライズはおすすめできません。

自作ゲームのローカライズを実施するには、その国の文化に対する理解も必要といえるのです。
もし翻訳ツールで実施するなら、セリフ量やテキストが極めて少ないゲームに限って利用するのが賢明でしょう。
方法②:スキルのある人に、自作ゲームの翻訳を依頼する

次に、知識やスキルのある人に自作ゲームの翻訳を依頼する方法を解説します。
こちらの方法は、前述で挙げた欠点を回避してローカライズすることも可能です。
費用は多少かかりますが、比較的少ない労力で実現できます。
特に以下のサービスを使って依頼するのが無難でおすすめです。
»ココナラ
こちらは株式会社ココナラが運営するスキルシェアサービスです。

一時期テレビCMも放映されていたので、ご存じの方も多いかと思います。
このサービスを使うことで、ゲーム内のテキスト量にもよりますが1,000円~で依頼することも可能です。
そのため、個人ゲーム開発者がとれる手段の中でも、現実的な方法といえます。
以下の記事でもお伝えしていますが、ココナラは個人ゲーム開発者が制作依頼などで利用するのにうってつけのサービスです。
»ゲーム開発に関する作業を個人に依頼する方法【素材制作やプログラミング等を外注しよう】
ココナラで自作ゲームの翻訳(ローカライズ)を依頼する手順
さて、実際に自作ゲームの翻訳を依頼する手順は以下の通りです。
- ココナラ
の公式サイトにアクセスし、会員登録を済ませる(※無料)
- 検索ボックスで「ゲーム ローカライズ」などで検索し、依頼できる人(出品者)を探す
- 依頼する相手を決めたら、「見積り・カスタマイズの相談」をクリックする
- 事前決済をする(※代金はサービス提供の完了まではココナラが預かり、キャンセルの場合は返金される)
- 非公開のトークルームで、出品者と依頼内容のやり取りを進める
- 出品者からの納品を待ち、「正式な納品」が送られてきたら納品物を確認する
- 修正の必要がある場合は「差し戻し」、問題なければ「承諾」を選択(※差し戻しは1回まで可能)

依頼する際の手順はこんな感じです。
翻訳してほしい文章は、基本的にExcelファイルにまとめておこう
基本的には、Excelファイルを送付し、翻訳文を追記してもらって納品してもらうという形式が一般的です。
そのため、手順⑤で依頼内容のやり取りを進める際、翻訳してほしい文章をExcelファイルにまとめておくとスムーズです。
例えば、以下の点を意識してExcelファイルにまとめると、より円滑に翻訳が進む可能性があります。
- 以下のように、ゲーム内の項目ごとにシートを分けてまとめる
- メニュー画面やタイトル画面などのコマンドや説明
- アイテム名
- スキル名 など
- 以下のように、項目ごとに列を設けて記入する
- 話者(セリフを話すキャラクター)
- 原文(翻訳してもらいたい文章)
- 翻訳(※翻訳してもらう文章を記入するため空欄で)
ただし、依頼する相手から専用のフォーマットが送付される場合もあり、この限りではありません。

しかし、基本的に自作ゲームのローカライズを依頼する際は、Excelファイルでやり取りすることが多いはずです。
「Microsoft Excel」や「LibreOffice Calc」など、表計算ソフトはなるべくインストールしておきましょう。
方法③:海外ファンに自作ゲームの翻訳をお願いする

最後に、海外のファンに自作ゲームを翻訳してもらうという方法です。
こちらの方法は、これまでにお伝えした方法と比べると、確実に実施できるものではありません。
そもそもの話、まずは海外の人にあなたの自作ゲームを認知してもらう必要があります。
まだローカライズを実施していない日本語のゲームで、翻訳に協力的な海外ファンを獲得するには、相当の努力と強運が必要です。
特に有料のインディーゲーム(同人ゲーム)の場合には、現実的な方法とはいえません。
日本語のインディーゲームを購入してまで遊んでくれる海外の方は、限られてしまうからです。

もしこれがフリーゲームであれば、実は案外無い話でもありません。
実際、私がこれまでに公開した複数のフリーゲームは、海外のファンの方に翻訳していただきました。
とはいえ、私からお願いしたというよりも、向こうからお話をいただいたという形です。
基本的には作品を遊んで、ご厚意で翻訳してくれるものであるといえます。
そのため、こういった方法も一応あるということだけを知っておいてください。

ちなみに私の経験上、テキスト量が少ないフリーゲームの方が、海外の方に翻訳してもらえることが多かったです。
あくまで参考までに。
自作ゲームを翻訳して外国語に対応するメリット

あなたの自作ゲームを翻訳(ローカライズ)することで、主に以下のようなメリットが得られます。
- 自作ゲームのユーザー数(プレイヤー数)の増加が期待できる
- 自作ゲームを販売する場合は、売上本数の向上も期待できる
順番に解説します。
メリット①:自作ゲームのユーザー数(プレイヤー数)の増加が期待できる
まず、自作ゲームをローカライズすることで、海外のユーザーの獲得につながります。

つまり、多くの方にあなたの自作ゲームを遊んでもらえるチャンスが生まれます。
日本向けのみでゲームをリリースするよりも、海外にも目を向けたほうがダウンロード数も増やしやすいです。
そもそも日本は人口が少ないですし、少子化も進む現在、将来性を考えて海外に目を向けることは賢明な判断といえます。
そのため、「ユーザーを獲得したい」「人気のゲームにしたい」と考えているなら、ローカライズは効果的です。

個人ゲーム開発者としての実績を築き上げるうえで、重要な施策といえるでしょう。
メリット②:自作ゲームを販売する場合は、売上の向上も期待できる
ローカライズすることで、有料の自作ゲームの売上向上も期待できます。
日本人だけでなく外国人にも買ってもらえるようにすることで、より多くの収益の獲得も可能になります。

率直に言って、日本向けだけで自作ゲームを売り続けるのは厳しいです。
前述のとおり、ユーザーの人口に限りがありますし、日本の景気も決して良いとはいえません。
また、物価高の現在、娯楽に費やせる金銭的余裕が無い方も少なくありません。
そして、無料コンテンツであふれている現代では、有料ゲームを買う機会も少なくなっていると考えられます。
このような状況の中、自作ゲームの売上を増やすには、やはり海外に目を向けるのは重要といえます。
したがって、自作ゲームのローカライズは、売上を得るうえで効果的な戦略といえます。

翻訳作業に取り組む価値は、十分にあるといえるでしょう。
まとめ:自作ゲームを翻訳して海外のユーザーにも遊んでもらおう!

以上が、自作ゲームを翻訳する方法(ローカライズする方法)と、ローカライズするメリットです。

結論としては、やはりスキルのある人に翻訳を依頼するのを推奨します。
特に、あなたが努力して制作したゲームなら、中途半端な翻訳文でローカライズしてしまうのはもったいないです。
翻訳文に違和感があるだけでも、ゲームへの没入感を損なう可能性もあります。
そのため、なるべく細かいニュアンスまで対応できた、正確かつ魅力的な翻訳文が望ましいです。
ココナラ
なら、個人でも手軽に翻訳を依頼できます。

個人同士で直接依頼のやり取りをするよりも、金銭的トラブルのリスクも少なく済みます。
あなたのゲームを海外の人にも遊んでもらえるよう、さっそくローカライズにチャレンジしてみましょう!
ちなみに、もし自作ゲームの販売を考えている場合は、以下の記事も参考にどうぞ。
個人ゲーム開発者向けに、自作ゲームの販売方法を紹介しています。