Unityに必要なスペックをゲーム開発者が解説【快適に動く推奨スペックも紹介】


Unityを使ってゲームを作りたいです。
でも、今使っているPCで動かせるのか心配です。
Unityでゲーム開発するためのスペックを教えてください!
こんなご要望にお応えします。
この記事の内容
- Unityエディターに最低限必要なスペックを紹介
- Unityエディターを快適に動かせる推奨スペックを解説
- Unity用にPCをコスパよく手に入れる方法も紹介

Unityを使いたいと考えたとき、まず気になるのはPCのスペックですよね。
どれくらいのスペックがあればUnityを動かせるのか、疑問に感じられているかと思います。
しかし、Unityの公式ドキュメントに掲載されているシステム要件では、具体的なPC構成の目安を知ることは困難です。
実際のところ、最低限必要な動作環境の目安を知れる程度に過ぎません。

そこで今回は、ゲーム開発者の私が、Unityに必要なPCスペックと推奨スペックについて詳しく解説します。
この記事を読めば、Unityの必要スペックと推奨スペックを確実に知ることができます。
そして、Unityで本格的にゲーム開発できるPCを、コスパよく手に入れることも可能になります。
それではご覧ください!
Unityエディターに最低限必要なスペック

まずは、Unityを動かすのに最低限必要なスペック(動作環境)から解説していきます。
「Unity 6.2」の公式ドキュメントによると、Unityエディターのシステム要件は下記のとおりです。
出典:「Unity – Manual: System requirements for Unity 6.2」Unity Documentation(最終閲覧:2025/08/28)
Operating system Operating system version
CPU Graphics API Additional requirements Windows Windows 10 version 21H1 (build 19043) or newer (X64), Windows 11 21H2 (build 22000) or newer (Arm64) X64 architecture with SSE2 instruction set support, Arm64 DX10, DX11, DX12 or Vulkan capable GPUs Hardware vendor officially supported drivers macOS Big Sur 11 or newer X64 architecture with SSE2 instruction set support (Intel processors)
Apple M1 or above (Apple silicon-based processors)Metal-capable Intel and AMD GPUs Apple officially supported drivers (Intel processor)
Rosetta 2 is required for Apple silicon devices running on either Apple silicon or Intel versions of the Unity EditorLinux Ubuntu 22.04, Ubuntu 24.04 X64 architecture with SSE2 instruction set support OpenGL 3.2+ or Vulkan-capable, Nvidia and AMD GPUs Gnome desktop environment running on top of X11 or Wayland windowing system, Nvidia official proprietary graphics driver, or AMD Mesa graphics driver. Other configuration and user environment as provided stock with the supported distribution (Kernel, Compositor, etc.)
Notes:
Ubuntu 22.04: Wayland is supported with AMD graphics cards.
Ubuntu 24.04: Wayland is supported with AMD graphics cards and Nvidia graphics cards utilizing Nvidia proprietary graphics drivers 550 and above.
このとおり、表形式で英語を用いて細々と記述されています。

これだと普段からPCを常用している方でも、イメージが湧きづらいかと思います。
なので、各項目についてわかりやすく解説していきます。
OS(オペレーティングシステム)について
結論、おおよそですが、Windowsなら2022年10月以降、macOSなら2020年11月以降、Ubuntuなら2022年4月以降にリリースされたOSなら基本的に問題ありません。

つまり、あまりにも古いOSでなければ大丈夫ということです。
ただし、現時点でサポートが継続されているOSを使いましょう。
サポート終了期限を過ぎているOSを使うのは、セキュリティ上のリスクが高いからです。
例えば、2025年8月時点では、下記のOSであれば問題ありません。
Windowsの場合 | 「Windows 10(64ビット版)Version 22H2」 「Windows 11 Version 23H2」 「Windows 11 Version 24H2」 |
---|---|
macOSの場合 | 「macOS 11 Big Sur」 「macOS Monterey 12」 「macOS Ventura 13」 「macOS Sonoma 14」 「macOS Sequoia 15」 |
Linux(Ubuntu)の場合 | 「Ubuntu 22.04 LTS」 「Ubuntu 24.04 LTS」 |
したがって、Unityを使いたいなら基本的に新しめのOSを使っておけば問題ありません。
ただし、サポート期限終了日の近いバージョンのOSもあるので、なるべく最新のOSを搭載したPCを使うのが無難です。
CPU(プロセッサー)について
結論、おおよそ2016年以降に発売されたCPUなら、まず基本的に問題ありません。
「SSE2命令セットをサポートするX64アーキテクチャ、またはArm64」という条件を満たしているはずです。
実際、SSE2(Streaming SIMD Extensions 2)は、2004年以降に発売されたほぼ全てのx64 CPUで対応済み。

わかりやすく言うと、Windows 10(64ビット版)やWindows 11が動作するCPUなら、Unityは問題なく動作するということです。
GPU(グラフィックス)について
結論、おおよそ2016年以降に発売されたGPUなら、まず基本的に問題ありません。
独立したGPUが搭載されていない「内蔵GPU」のPCでも、2016年以降のPCならまず大丈夫といえます。

あまりにも古いGPUでなければ、「DX10、DX11、DX12対応」または「MetalやVulkan対応」という条件を満たしているはずです。
実際、DX10(DirectX 10)は2006年にリリースされており、Intel HD Graphicsなどの内蔵GPUもほとんどが対応しています。
そして、ここ数年で発売されたGPUは、最新版のDX12に対応しているのが一般的です。

なので、近年に発売されたPCなら低価格帯の機種でも基本的に可。
快適性は別として「Unityが一応は動くGPU(内蔵GPU)が搭載されている」という認識でOKです。
RAM(メモリ)の容量について
メモリに関しては、先ほど引用した表には掲載されていません。
なので、ここで引用してご紹介します。
「Unity 6.2」の公式ドキュメントによると、Unityエディター実行時のメモリに関して以下のように記述されています。
To run the Unity Editor on Windows, macOS, or Linux, a minimum of 8 GB RAM is recommended.
出典:「Unity – Manual: System requirements for Unity 6.2」Unity Documentation(最終閲覧:2025/08/28)
つまり、快適性はともかく、Unityを動かすうえでは最低でも8GBあれば問題ないということです。

しかし、本格的にゲーム開発する場合、実際のところ8GBだけでは足りないことが多いです。
Unityの必要スペックまとめ
以上が、Unityの公式ドキュメントの情報をもとに、わかりやすく解説した動作環境(最低限必要なスペック)です。
簡単にまとめると、あまりにも古いPCでなければUnityは一応動くということです。

極端な話、低価格帯のノートPCでも、条件を満たしていれば動かせます。
しかし、単に「Unityが動く」というだけに過ぎません。
「このスペックを満たしていれば、快適にUnityを操作できるか?」と問われると、必ずしもそうとは言えません。
そこで、普段からゲーム開発をしている私の経験をもとに、Unityを快適に動かせるスペックをご紹介します。
Unityエディターを快適に動かせる推奨スペック

開発するゲームが2Dか3Dかによって、推奨するスペックは異なります。
Unityで2Dゲームを開発する場合、推奨スペックは下記のとおりです。
プロセッサー(CPU) | 「Ryzen 5 4500」以上の性能を持つCPU |
---|---|
グラフィックス(GPU) | 「GeForce GTX 1650」以上の性能を持つGPU |
メモリ(RAM) | 16GB以上 |
ストレージ | SSDで256GB以上 |
また、Unityで3Dゲームを開発する場合、推奨スペックは下記のとおり。
プロセッサー(CPU) | 「Core i7-11700」以上の性能を持つCPU |
---|---|
グラフィックス(GPU) | 「GeForce RTX 2060」以上の性能を持つGPU |
メモリ(RAM) | 16GB以上 |
ストレージ | SSDで500GB以上 |
目安としてはこんな感じです。
それぞれ、これくらいの性能を備えたPCであれば、快適にUnityでゲーム開発できます。

ここからは各項目について、もう少し掘り下げて解説していきます。
「性能の良いPCパーツを使うことで、Unityを使う上でどのようなメリットがあるのか」もご理解いただけるようにお伝えします。
OSは、Windowsを使うのがおすすめ
結論、Unityでゲーム開発する場合、OSに関してはmacOSやLinuxよりも、Windowsを使うことを推奨します。
その理由は下記のとおりです。
- Windowsなら高性能なPCでも安く手に入れられるから。
- BTOパソコン(受注生産パソコン)などの選択肢の幅も広いから。
- PCゲームを開発する場合、基本的にユーザー数の多いWindows PC向けにリリースすることになるから。
- スマホゲームを作りたい場合も、Androidアプリとして開発できるから。

上記3つ目に関して補足すると、基本的にゲームの動作テストは、ゲームを遊ぶユーザーと同じ環境(OS)で実施すべきです。
つまり、Windows向けのPCゲームを作るなら、Windowsでテストプレイするべきだということ。
以上の理由から、Unityでゲームを作る場合は、Windowsのほうが適しています。
iOS向けにアプリ開発したい場合、Windowsだけでは不十分
ただし、iOS向けのスマホアプリを作る場合は、開発機がWindows PCだけでは不十分。
App Storeでリリースするには「Xcode」というソフトウェア(統合開発環境)を使う必要があるためです。
Xcodeは、macOS以外のOSには基本的にインストールできません。
しかし、iOSアプリのリリースに使うApp Storeは、開発者の登録料として年間99ドル(約14,300円)かかります。
対して、Androidアプリのリリースに使うGoogle Playは、1回限りの登録料のみで25ドル(約3,600円)しかかかりません。
つまり、駆け出しの個人ゲーム開発者には、「iOSアプリのリリース&運用」は少々敷居が高いといえます。
Androidアプリのリリースからチャレンジしたほうが賢明です。

もし、Unityを使ってiOS向けにアプリ開発したい場合は、中古のMacBookなどを別で用意すると良いでしょう。
つまり、ゲーム開発にはWindows PCを使って、iOS向けにビルドする時にだけMac PCを使うということです。
CPUは、インテル製ならCore i5以上、AMD製ならRyzen 5以上を推奨
CPUに関しては、ミドルクラス以上のモデルを使うのがおすすめです。
- インテル製CPUなら、第8世代以降の「Core i5」以上を推奨。
- AMD製CPUなら、第3世代以降の「Ryzen 5」以上を推奨します。
例えば、「Ryzen 7 5700X」「Core i5 12400」など。
これくらいの性能のCPUがあれば、Unityにおけるさまざまな処理の実行がスムーズになります。
つまり、CPUの性能は、Unityを使ったゲーム開発の快適性に大きく影響するのです。

ちなみに私も、ゲーム開発時はCore i7搭載のPCを使っています。
年々開発ソフトの要求スペックが上がっていくため、同じCPUで長く快適に使えるようにするためです。
したがって、Unityで快適にゲームを作りたいなら、上記のようなミドルクラス以上のCPUを選ぶようにしましょう。
ただし、3Dゲーム開発でUnityを使う場合は、中でも8コア以上のCPUを推奨します。
ビルドやレンダリング処理がマルチスレッドで並列実行できるので、作業時間を短縮できるためです。
GPUは、2Dゲーム開発ならGeForce GTX 1650以上、3Dゲーム開発ならGeForce RTX 2060以上を推奨
GPUに関しては、2Dゲーム開発の場合はGeForce GTX 1650以上、3Dゲーム開発の場合はGeForce RTX 2060以上がおすすめ。
性能の低いGPUでUnityを使う場合、下記の問題が発生することがあるためです。
- オブジェクトの移動やズーム時に映像がカクつく。
- ゲームのテストプレイ実行時にFPSが安定せず挙動の確認が困難になる。
- テクスチャが正常に表示されないことがある。
たとえ2Dゲームを開発する場合でも、複雑なエフェクトやアニメーションを活用する際は動作が重くなります。
性能の低い内蔵GPUなどでは、作れるゲーム内容に制限が生まれてしまいます。
したがって、Unityでゲーム開発する場合は、前述のような独立GPUを搭載したPCを使ったほうが良いです。

VRAM(ビデオメモリ)容量は、最低でも4GB、可能なら8GB以上搭載したGPUが望ましいといえます。
例えば、「GeForce RTX 5060 Ti 16GB」「Radeon RX 6600」などであれば満たしています。
メモリは、16GB以上は搭載することを推奨
メモリ(RAM)は、16GB以上は搭載することをおすすめします。
メモリ容量が少ないと、Unityだけでなくあらゆるソフトの動作がカクついてしまうからです。
そして最悪の場合、フリーズを引き起こしたり、作業中のデータがクラッシュしてしまうこともあります。

実際に私は、かつて使っていた4GBや8GBのメモリのパソコンでは、割と頻繁にフリーズが発生していました。
容量の多いメモリを備えていれば、Unityエディターの動作も安定します。
ブラウザやCG編集ソフトなど、「複数のソフト」を立ち上げる際も動作がカクつかずに済むのです。
したがって、Unityを使う場合は、16GB以上はメモリを搭載しておきましょう。
3Dゲームを開発するなら、32GB以上あっても良いくらいです。
ストレージは、SSDで500GB以上を推奨
ストレージに関しては、SSDをメインで使うのがおすすめ。
OSやソフトウェアは、なるべくSSDにインストールしたほうが良いといえます。
SSDはHDDよりもデータの読み書きが圧倒的にスムーズだからです。
「Unityなどのソフトの起動」や「データの書き出し速度」も素早く行えます。
なので、ストレージはSSDをメインで使いましょう。
SSDに加えてHDDも使う場合は、頻繁に読み込まない素材データや、開発データのバックアップなどへの活用が適しています。
ちなみにストレージ容量は、2Dゲーム開発用には256GB以上、3Dゲーム開発用には500GB以上が望ましいです。
ストレージ容量はどれだけあっても困りません。
あなたの予算が許す限り増設しておきましょう。

ちなみに私は、500GBのM.2 SSDと500GBのHDDをメインPCで使っています。
現在もゲーム開発を続けていますが、このストレージ容量で足りなくなったことはありません。
Unity用にPCをコスパよく手に入れる方法

Unityをこれから始めるあなたに、PCをコスパよく手に入れる方法をお伝えします。
結論からお伝えすると、パソコンはBTOショップ(受注生産のPCショップ)か大手PCメーカーのオンラインストアで買いましょう。
その理由は、要らないソフトを勝手に入れられることが基本的にないため、その分お得に購入できるからです。

また、あなたの好みで構成をカスタマイズでき、Unityの利用に最適なPCを手に入れられます。
他にも一応、自分でPCを組み立てるという手段もコスパは悪くありません。
しかし、タイパは良いとは言えず、あまり万人にオススメできる方法でもありません。
「自作PC」は、自由度が高くて組み立て作業を楽しめる反面、パーツ選びや組み立てで失敗するリスクがあります。
そして、完成したPCに対してサポートが無いに等しいので、故障した場合は基本的に自己責任です。

また、実際のところ、自作PCとBTOではかかる費用に大差があまりつかないことが多いです。
したがって、パーツに特別なこだわりがなければ、PCはBTOショップや大手PCメーカーのオンラインストアで買うのがおすすめ。
金銭面だけでなく「時間や労力というコスト」も少なく済み、高性能なパソコンを手軽に手に入れられます。
Unityの利用に最適なゲーム開発用PCをピックアップ
BTOショップや大手PCメーカーのオンラインストアで購入するにしても、PCを選ぶのは意外と時間や労力がかかるものです。

CPUやGPUの性能、CPUクーラーの種類、電源の良し悪し、価格を比較したりと、意外と骨が折れます。
そこで、あなたの代わりに私が、「Unityの利用に適したゲーム開発用PC」をピックアップしておきました。
以下の記事で、Unityが快適に使えるデスクトップPCとノートパソコンを紹介しています。
コスパの良さと信頼性を重視し、3Dゲーム開発用と2Dゲーム開発用に分けて厳選しています。
あなたのUnity用パソコンの購入に、ぜひお役立てください!