自作ゲームをネットで販売する方法【個人ゲーム制作者向け】

2020/1/1ゲーム制作

個人ゲーム開発者向け ゲームの販売方法
悩んでいる人
悩んでいる人

自分で制作したゲームを売ってみたいです。
でも、どうやって売れば良いか分かりません。

自作ゲームを販売する方法を教えてください。

このようなご要望にお応えします。

article この記事の内容

  • 個人でも自作のダウンロードゲームを販売できるサイトを紹介
  • 自作ゲームの販売本数を増やす宣伝方法を解説(※詳しく解説した当サイトの別記事を紹介)
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この記事の筆者
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ドッド工房
ゲーム開発歴15年。ゲーム開発の講師経験あり。20作品ゲームをリリースし、50万DL&Play突破。ゲームコンテストで7回以上受賞。インディーゲームも発売。ツクールやUnity等を使用。

手軽に自作ゲームを販売する方法は、企業が運営するサービス(サイト)を利用することです。

販売に必要なシステムがすでに用意されているので、あなたがゼロから作る手間が省けます。

また、既にそのサービスを利用している方が多くいるので、あなたのゲームが売れる可能性も高くなります。

ドッド工房のふきだし
ドッド工房

さて、今回ご紹介するのは、実際に私が「自作ゲームを販売したい」と考えたときに調べたサービスです。

個人ゲーム開発者にとって、良質だと判断した5つのサービスをピックアップしました。

なお、すべて日本語に対応したサイトに限定しています。

この記事を読めば、あなたはすぐに自作ゲームを販売する準備ができます。

さっそくご覧ください!

自作のダウンロードゲームを販売できるサイト5選(個人ゲーム制作者向け)

個人ゲーム制作者におすすめ ゲームを販売できるサイト

ダウンロードゲームを販売できるサイトには、主に下記のサイトがあります。

結論からお伝えすると、まずはSteam以外のサービスから試したほうが損しません。

サービスによって客層が異なります。
客層が異なれば、当然あなたの商品の売れゆきにも影響します。

「他だったら稼げたかもしれないのに、売れ損なってしまう」
こういった機会損失を生む状況になってしまう可能性があるわけです。

また、売れない場所で売るための試行錯誤で、時間と労力を無駄に消耗してしまうリスクもあります。

なのでまずは、「どこなら一番、あなたのゲームが売れやすいか」を検証してみるのがおすすめです。

ドッド工房のふきだし
ドッド工房

一番売れるサービスを見つけて、今後はそこで集中して取り組んでいく。
この方法のほうが効率的です。

ただし、Steamに限っては試しに使うのは少々難しいといえます。

ドッド工房のふきだし
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その理由は、後述の説明をご覧いただければ、ご理解いただけるかと思います。

それでは、それぞれのサービスの特徴や費用(登録料や手数料など)をご紹介していきます。

自作ゲームの販売サイト候補①:STORES

STORES は、本格的なネットショップを簡単に制作できるサービスです。
日本企業のSTORES株式会社によって運営されています。

STORESの特徴

このサイトの特徴は以下のとおりです。

  • ショップのデザインをあなたの好みにカスタマイズできる
  • ショップ運営に必要なアクセス解析が簡単に行える
  • モノの販売やダウンロード販売だけでなく役務販売も可能※
  • クーポンを発行できる機能があり、柔軟な販売戦略を立てられる

※役務販売とは、あなたのスキルを活かした「イラスト作成」「作曲」「ゲーム開発」などの労働提供のことです。

そのため、本格的にゲームを販売したり、クリエイターとして有償依頼を受けたい場合にも使用可能。

STORESの費用

さて、このサービスにかかる運営費用については、以下のとおりです。

比較項目フリープランベーシックプラン
初期費用無料
月額料金(税込)無料3,480円(月払いの場合)
決済手数料5.5%~3.6%~
振込手数料275円
事務手数料振込申請額1万円未満の場合:275円
振込申請額1万円以上の場合:無料
STORESでショップ開設した場合の運営費用

このように、利用にかかる費用は比較的少なく、手軽に始められます。

まずは、無料で使えるフリープランから始めるのがおすすめです。

ちなみに、毎月の売上が15万円に満たないならフリープランのままでOKです。

ドッド工房のふきだし
ドッド工房

毎月の売上が15万円を超える場合は、スタンダードプランに切り替えた方が損しません。

このとおり、フリープランならリスクなく気軽に始められます。

まずは試しに使ってみましょう!
»STORES でショップを作る

自作ゲームの販売サイト候補②:BASE

BASE は、ネットショップを簡単に作成可能なサービスです。

こちらも日本の企業であるBASE株式会社が運営しています。

BASEの特徴

このサイトの特徴は以下のとおりです。

  • ショップのデザインをあなたの好みでカスタマイズできる
  • 無料テーマと有料テーマのいずれかから選択可能
  • ショップ運営に必要なアクセス解析をGoogle Analytics(無料)と連携させて行える
  • モノの販売だけではなく、デジタルコンテンツの販売も可能
  • クーポンを発行できる機能があり、細かい販売戦略を立てられる
  • 商品の価格は50円以上からでないと登録できない

なので、本格的にデータ分析しつつゲーム販売したい場合にオススメです。

BASEの費用

さて、このサービスにかかる運営費用については、以下のとおりです。

比較項目スタンダードプラングロースプラン
初期費用無料
月額料金(税込)無料19,980円(月払いの場合)
決済手数料3.6%~+40円2.9%~
サービス利用料3%無料
振込手数料(税込)250円
事務手数料(税込)振込申請額2万円未満の場合:500円
振込申請額2万円以上の場合:0円
BASEでショップ開設した場合の運営費用

つまり、スタンダードプランなら無料で始められます。

基本的に商品が売れた場合にのみ手数料がかかるので、赤字になる心配はまずありません。

こちらも無料で使えるスタンダードプランから使うのがおすすめ。

ただし、毎月の売上が50万円以上になる場合は、グロースプランに変更したほうが損せずに済みます。

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「ネットショップ作成が30秒で。」というキャッチコピーのとおり、今すぐ始められます。

こちらもとりあえず登録してみましょう。
»BASE でショップを作る

自作ゲームの販売サイト候補③:BOOTH

BOOTHは、創作物を販売できるネットショップサービスです。

イラストやマンガの投稿サイトで広く知られる、日本の企業ピクシブ株式会社が運営しています。

BOOTHの特徴

このサイトの特徴は以下のとおりです。

  • ゲームに限らず、同人作品やグッズなどの販売も可能
  • ショップページを「好きな配色」「好きなヘッダー画像」にカスタマイズできる
  • Google アナリティクスと連携させてアクセス解析が可能
  • クーポンなどの配布ができない
  • 利用規約が厳しく、過激な表現を含む作品の公開が困難

趣味として自作ゲームや同人作品を販売したい場合には便利です。

しかし、規約が厳しいので、自作ゲームの内容には細心の注意を払う必要があります。

BOOTHの費用

さて、このサービスにかかる運営費用については以下のとおりです。

初期費用無料
月額利用料無料~
決済手数料商品価格×5.6%+22円
振込手数料(税込)受取金額の総額が3万円未満の場合:200円
受取金額の総額が3万円以上の場合:300円
BOOTHでショップ開設した場合の運営費用

このとおり、このサービスも一応無料で始められます。

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しかし、残念ながら昔に比べて決済手数料が高くなってしまいました。

ちなみにBOOTHは、出店者と購入者ともにpixivアカウントが必要です。

pixivのアカウントを持っているユーザーは限られていますので、販促への障壁になるリスクが多少あります。

その他、詳しくは下記のページに記載されています。
»BOOTHで自分の作品を売ってみよう – BOOTH

自作ゲームの販売サイト候補④:DLsite

DLsiteは、同人作品を販売できるダウンロードショップです。

日本の企業である株式会社エイシスが運営しています。

DLsiteの特徴

このサイトの特徴は以下のとおりです。

  • 同人誌や同人ゲーム、電子書籍などをダウンロード販売できる
  • アダルト作品の公開数が非常に多い
  • 作品の登録に審査がある
  • 販売数がページ閲覧者に公開される
  • 作品を無料配布することは基本的にできない

このとおり、どちらかというと大人向けのゲームを販売したい場合に適しています。

ちなみに、販売数がどれだけ少なくても公開されてしまうので、精神的に強くない方は覚悟が必要です。

DLsiteの費用

このサービスの利用にかかる運営費用は、以下のとおりです。

登録料無料
年会費無料
手数料販売価格により変動し、およそ20%~50%
DLsiteでゲームを売る場合の運営費用

このとおり、他サービスと比較しても手数料が高めに設定されています。

販売価格を高く設定してもたくさん売れる自信のある場合には、一応おすすめできるサービスといえます。

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率直に言って、薄利多売の戦略で利用するのには適していません。

手数料などについて、詳しくは以下のページにまとめられています。
»サークル規約 -DLsite

自作ゲームの販売サイト候補⑤:Steam

Steamは、PCゲームやPCソフトウェアを販売できる大手プラットフォームです。

アメリカの企業であるValve Corporationが運営しています。

Steamの特徴

このサービスの特徴は以下のとおりです。

  • PCゲームやPCソフトウェアを販売できる
  • 海外ユーザーが多いので、海外向けにゲームを公開するのにも最適
  • アプリ提出料金の支払い後、リリースまで30日間は待つ必要がある
  • ゲームの登録時に審査があり、1~5日間は必要
  • ストアページを準備し、2週間は「近日登場」のページを公開する必要がある
  • ウィッシュリスト登録数が少ないと、ストア上での露出が減り、発売しても埋もれやすい
  • 購入から14日以内、かつプレイ時間が2時間未満の場合は返金可能なので、短編ゲームの販売には不向き

このとおり、本格的に国内外に向けてゲーム販売する場合には適しています。

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ただし、準備にかかる費用や労力、そして時間がかなり必要です。

また、ゲーム発売前の宣伝が十分でないと、発売できても販売本数を伸ばすのが厳しいです。

率直に言って、個人ゲーム開発者が気軽に自作ゲームを登録するのは難しいといえます。

Steamの費用

このサービスを使うのにかかる運営費用は、以下のとおりです。

ゲームの登録料製品ごとに$100(ただし、$1,000売り上げると払い戻される)
販売手数料売上の30%
為替手数料・税金売上によって変動
Steamでゲームを売る場合の運営費用

要するに、Steamでゲームを販売する場合、あなたの利益は以下のようになります。

あなたの利益=(売上-税金類-サービス利用料-ドル円交換手数料-海外からの送金手数料)

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このとおり、Steamで販売するには、まずゲームの登録料を支払わないといけません。

つまり、約14,500円の赤字からスタートすることになります。

仮に、開発費100万円の低予算で、1,600円という低価格で販売して利益を得たい場合で考えると――

少なくとも1,000本は売れないと、開発費の回収すら厳しいので現実的ではありません。

もし、無料ゲームとして100,000ダウンロードもされない内容の場合、Steamで販売するのはやめておいたほうが良いかもしれません。

その他、詳しくは以下のページに記載されています。
»Steamworks パートナープログラム

自作ゲームの販売本数を増やす宣伝方法

一人で実践できる売上を増やすテク

自作ゲームを販売できるサイトは以上です。

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ここからは、あなたのゲームの販売本数を増やす方法をお伝えします。

前提として、自作ゲームの販売で売上を増やすには、宣伝をしなければいけません。

しかし、本格的に広告出稿をする場合、基本的に10万円以上はかかってしまいます。

初めてゲーム販売に挑戦する個人ゲーム開発者には、広告出稿に費用を割くのはあまり現実的とは言えません。

そのため、まずは無料でできる広報活動(宣伝など)を徹底的に実施しましょう。

例えば、以下のことは最低限実施すべきです。

  • サムネイル(ゲームの紹介画像)は目を引くデザインにする
  • ゲーム紹介文(PR文)をユーザー目線で丁寧に書く
  • X(旧Twitter)等で特定のハッシュタグを活用して宣伝する

これは中級者以上の個人ゲーム制作者なら、当たり前のように行っていることです。

詳しくは以下の記事で解説しています。
»自作ゲームのDL数を増やす方法【無料でできる宣伝と見せ方のコツ】

これは無料ゲームをリリースする場合にも、当然実施すべきことです。

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有料ゲームをリリースする場合は、マストで実施しましょう。

もう、「良いゲームを作れば自然に売れていく」といった時代ではありません。

ゲームの売上を増やすには、マーケティングを意識することが重要

前述の無料でできる広報活動だけでは、決して十分とは言えません。

飽和しつつあるインディーゲーム市場で、ようやく競争の土俵に立てる程度の準備に過ぎないからです。

数多のゲームコンテンツがひしめき合う現状では、残念ながら面白いゲームを作るだけでは売れていきません。

販売本数を増やしたいのであれば、マーケティングを意識して広報活動を行う必要があります。

以下の記事で、マーケティング的な視点で売上を増やす方法を解説しています。

ドッド工房のふきだし
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「自作ゲームが売れない理由と7つの改善策」と題していますが、できる限り発売する前にご覧ください。

実際にゲームを発売する前に読んでおけば、あなたが失敗するリスクを減らせるためです。

まとめ:まずは手軽に自作ゲームを販売できる方法でチャレンジしよう!

手軽に使えるサイトで販売してみよう

以上が、自作のダウンロードゲームをネット上で販売する方法です。

基本的にSteamは、提出料や手数料が高くて、ゲーム公開までにも時間がかかります。

また、広報活動に相当の労力を割かないと、販売本数を増やして十分な利益を得るのは難しいです。

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そのため、まずは試しにSteam以外のサービスから使ってみてはいかがでしょうか。

手軽にゲーム販売ができて、かつ一番売れるサイトを見つける。

そして、今後しばらくはそこで販売を続ける戦略の方が、余分な消耗をせずに済みます。

つまり、自作ゲーム販売のノウハウを実践で身に着け、実際にあなたのゲームがどれくらい売れるのかを検証しましょう。

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Steamでリリースするのは、上記の準備と段階を踏んでからのほうがおすすめです。

あなたが時間をかけて、精一杯の努力をして作り切ったゲームです。

売り方を間違えなければ、Steamでなくてもあなたのファンなら買ってくれるはずです。

今回ご紹介したサイトで、さっそくゲーム販売にチャレンジしてみましょう!