知っていると便利なスクリプト一覧【RPGツクールMV/MZ向け】


私はRPGツクールMV(RPGツクールMZ)でゲームを作っています。
スクリプト(JavaScript)も活用すると、ゲーム制作の自由度が高まると聞きました。
でも、私はプログラマーじゃないので、スクリプトの書き方はよく知りません。
こんな私でも、簡単に使えるスクリプトを教えてほしいです。
こんなご要望にお応えします。
本記事の内容
- 簡単に使える便利なスクリプトを厳選してご紹介(RPGツクールMVやRPGツクールMZユーザー向け)
本記事の信頼性

この記事を書いている私はゲーム制作歴14年以上です。
手がけた自作ゲームは20作以上で、39万ダウンロード&プレイを突破、ゲームコンテストで7回以上受賞。
仕事としてゲーム制作の講師経験もあり、インディーゲームを開発して販売もしています。
RPGツクールMV/MZでゲームを作るなら、スクリプトも使えると圧倒的に有利です。
なぜなら、イベントコマンドだけでイベント(処理の塊)を作るよりも、効率的に作成できる場合もあるからです。
また、イベントコマンドだけでは実現できないイベントの作成も可能になります。
つまり、少しでもスクリプトが使えると、あなたはスムーズにゲームが作れるようになるのです。
そして、ゲーム制作者としてのあなたの可能性も大きく広がります。

なので、RPGツクールMVやMZをご利用の場合は、積極的にスクリプトを使ってみましょう!
ちなみに、今回ご紹介するスクリプトは、どれも簡単で便利なモノだけに厳選しておきました。
基本的に「コピー&ペースト(コピーして貼り付け)」と「数値の入力」だけで簡単に使えます。
なので、どうぞお気軽にご利用ください。
それでは参ります!
知っていると便利なスクリプト一覧【RPGツクールMV/MZ向け】

今回ご紹介する「RPGツクールMV/MZに使えるスクリプト」は下記のとおりです。
- 「ロード画面を開く」スクリプト
- 「オプション画面を開く」スクリプト
- 「デバイスの種類を判別する値を取得する」スクリプト
- 「日付(月・日・曜日・時間)の値を取得する」スクリプト
- 「イベントを指定場所まで移動させる」スクリプト
- 「プレイヤーを一瞬で場所移動させる」スクリプト
- 「表示中のピクチャをすべて消去する」スクリプト
- 「マップのスクロールが完了するまでウェイトを入れる」スクリプト
- 「BGMの演奏をフェードインさせる」スクリプト
- 「スマホを震えさせる」スクリプト
それでは、それぞれのスクリプトについて詳しく解説していきます。
スクリプト①:ロード画面を開く
SceneManager.push(Scene_Load);
このスクリプトを使えば、ゲーム中のあらゆる場面で「ロード画面」を表示できます。
つまり、ゲームプレイ中のユーザーに対して、任意のタイミングでセーブデータをロードさせたい場合に使えます。

例えば、「自作するメニュー画面のコマンド」や「ゲームオーバー時に表示されるコマンド」に使うと便利です。
あなたのゲームがスムーズに遊べるものに変わります。
ちなみにこのスクリプトを使わない場合、ロード画面を開くためにいちいちタイトル画面に戻る必要があります。
となると、ユーザーにとっては不便なゲームになってしまいますよね。
なので、ロード画面をすぐに表示できるこのスクリプトは、ぜひ有効活用しましょう。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」で入力して使用できます。
イベントコマンド一覧の3ページ目にある「上級」内にあるコマンドです。
スクリプト②:オプション画面を開く
SceneManager.push(Scene_Options);
このスクリプトを使えば、ゲーム中のあらゆる場面で「オプション画面(コンフィグ画面)」を表示できます。

例えば、「自作のメニュー画面のコマンド」に使うと便利です。
実際に私のゲームでも、必ずと言っていいほど使用しています。
他にも、設定画面を開くためのショートカットキーを作る際にも使えたりします。
なのでこのスクリプトもぜひ、あなたのゲームで有効的に活用しましょう。
このスクリプトの使い方
こちらも同じく、イベントコマンド「スクリプト」で使用できます。
基本的にコモンイベントで使用するのがオススメですね。
スクリプト③:デバイスの種類を判別する値を取得する
navigator.userAgent.match(/(iPhone|iPad|iPod|Android)/i) !== null ? 1 : 0;
このスクリプトを使えば、ゲームを起動しているデバイスの種類を判別する処理が作れます。
つまり、ユーザーがPCで遊んでいるのかスマホで遊んでいるのかを読み取ることができるのです。

例えば、ゲーム中における「操作方法の表示」を分ける際に使うと非常に便利です。
また、PC用のUI(ユーザーインターフェース)とスマホ用のUIを分ける際にも使えますね。
なので、PCとスマホに両対応したゲームを作る場合は、もはや必須ともいえるスクリプトです。
RPGツクールMV/MZユーザーなら、ブラウザゲームを作る機会が多いはずなのでぜひ活用しましょう。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「変数の操作」内の「スクリプト」で使用できます。
設定後にイベントを実行すると、設定した変数に下記のとおり値が代入されます。
- スマホまたはタブレットで起動している場合は、1が代入される
- PCで起動している場合は、0が代入される
あとは、イベントコマンド「条件分岐」で、設定した変数の値が0か1の場合かでそれぞれ実行する処理を分ければOKです。
スクリプト④:日付(月・日・曜日・時間)の値を取得する
「月(Month)」の値を取得
(new Date()).getMonth() + 1;
「日付(Date)」の値を取得
(new Date()).getDate();
「曜日(Day)」の値を取得
(new Date()).getDay();
「時間(Hours)」の値を取得
(new Date()).getHours();
このスクリプトを使えば、ゲーム起動時の日付や曜日、そして時間を読み取ることができます。
つまり、ゲームを起動しているデバイスから、遊んでいる日付や時間などの情報を取得することができるのです。

例えば、「季節限定イベント」や「誕生日イベント」があるゲームを作る場合に便利です。
誕生日になるとゲームキャラクターがお祝いしてくれるイベントがあっても面白いですよね。
このスクリプトの使い方
ちなみにこのスクリプトも、「変数の操作」内の「スクリプト」で使用できます。
なお、曜日の値を取得する場合は、イベント実行後に下記の値が設定した変数に代入されます。
日曜 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
あとは、イベントコマンド「条件分岐」で場合分けをし、各曜日ごとに処理を分ければOK。
曜日以外の値を取得する場合も、これと要領はほぼ同じです。
スクリプト⑤:イベントを指定場所まで移動させる
this.moveStraight(this.findDirectionTo(X座標,Y座標));
このスクリプトを使えば、特定のイベントを指定した座標まで移動させることができます。
つまり、イベントコマンド「移動ルートの設定」で、わざわざ細かく移動ルートを設定する必要がなくなります。

例えば、イベントシーンでキャラクターのドット絵を歩かせる場合に便利です。
移動ルートを細かく指定しなくて済むので、圧倒的にゲーム制作を効率化できます。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「移動ルートの設定」内の「スクリプト」に入力して使用できます。
(X座標,Y座標)には、設定するイベントの「移動先の座標」を半角数字で入力しましょう。
これでイベントを実行すると、指定した座標まで自動で移動してくれるようになります。
スクリプト⑥:プレイヤーを一瞬で場所移動させる
$gamePlayer.reserveTransfer($gameMap.mapId(マップID), X座標, Y座標 , 向き);
$gamePlayer.performTransfer();
このスクリプトを使うと、プレイヤー(操作キャラクター)を一瞬で場所移動させることができます。
つまり、指定した座標に瞬間移動させることができるのです。
通常、イベントコマンド「場所移動」で移動させる場合は、プレイヤーが移動するまでには少しだけ待ち時間が発生してしまいます。
ですが、このスクリプトを使用することで、同じマップで移動させる場合はその待ち時間が一切発生しなくなるのです。

例えば、ロード時間や操作できない時間を、可能な限り少なくしたゲームを作る場合に便利です。
ゲームを遊ぶユーザーに対し、可能な限りストレスを感じさせたくない場合に最適といえます。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」で使用できます。
上記スクリプト内の「マップID」には場所移動先のマップIDを半角数字で入力。
そして「X座標」と「Y座標」は、移動させたい位置をそれぞれ半角数字で入力しましょう。
また、場所移動後のプレイヤーの「向き」に関しては、それぞれ下記の半角数字を入力して指定しましょう。
上向き | 右向き | 左向き | 下向き |
---|---|---|---|
8 | 6 | 4 | 2 |

ちなみにこれは、パソコンのテンキーに対応している数字と同じです。
もし、場所移動後に向きを変える必要が無ければ、上記スクリプトの「, 向き」の部分は削除して記述すればOKです。
すると、移動させる前と同じ向きでプレイヤーが場所移動できます。
スクリプト⑦:表示中のピクチャをすべて消去する
$gameScreen.clearPictures();
このスクリプトを使えば、表示中のピクチャをすべて消去することができます。
つまり、表示しているピクチャを全消ししたい場合に、一枚一枚にわざわざイベントコマンド「ピクチャの消去」を実行しなくてよくなるというわけです。

例えば、ピクチャを多く使うゲームの場合に便利です。
セーブ時に表示中のピクチャを全消ししたりする際には最適ですよ。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」に記述して使用できます。
一応、1枚ずつピクチャ番号ごとに繰り返し処理で消していく方法もあります。
ですが、このスクリプトのほうが記述も簡単ですし、余計な処理が実行されないのでオススメです。
スクリプト⑧:マップのスクロールが完了するまでウェイトを入れる
this.setWaitMode('scroll');
このスクリプトを使うと、マップのスクロールが完了するまで、自動的にウェイトが入るようになります。
つまり、マップのスクロールが完了するまでに必要なウェイトを、わざわざ手動で指定する必要がなくなるのです。

例えば、「イベントシーンの多いゲーム」や「演出にこだわるゲーム」に使うと非常に便利ですよ。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」に記述後、イベントコマンド「マップのスクロール」の直後に配置することで使えます。
あとは、イベントを実行すると、マップのスクロール時に自動でウェイトが挿入されます。
スクリプト⑨:BGMの演奏をフェードインさせる
AudioManager.fadeInBgm(秒数);
このスクリプトを使えば、BGMを再生する際に音量を徐々に大きくさせることができます。

例えば、演出を作りこむゲームに使うと便利です。
いきなり普通の音量で音楽を流すよりも、少しずつ再生したほうが良い場面もありますよね。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」に入力し、イベントコマンド「BGMの演奏」の直後に配置することで使用できます。
なお、上記スクリプトの「秒数」の部分には半角数字を入力しましょう。
例えば、「(5)」にした場合は「5秒かけてフェードイン」で実行されます。
これでイベントを実行すると、BGMの再生が設定した音量まで5秒間かけて徐々に大きくなっていきます。
スクリプト⑩:スマホを震えさせる
navigator.vibrate(ミリ秒);
このスクリプトを使えば、ゲームプレイ中の任意のタイミングでスマホを震えさせることができます。
つまり、スマホで遊ぶユーザーに対して、ゲーム内でバイブレーションを実行できるということです。

例えば、ホラーゲームなどを作る場合に便利です。
プレイヤーに対して、視覚や聴覚からだけでなく「触覚」からも恐怖を演出できますよ。
このスクリプトの使い方
このスクリプトは、イベントコマンド「スクリプト」に入力することで使えます。
なお、()内の「ミリ秒」の部分は、半角数字で入力しましょう。
ちなみに、ミリ秒とは1000分の1秒という意味です。
つまり、上記スクリプトで「1000」に設定すれば、1秒間バイブレーションさせることができます。
RPGツクールMV/MZでスクリプトを使う際の注意点
RPGツクールMV/MZでは、スクリプトを使用する際に1つだけ注意点があります。
それは、記述するスクリプトの末尾には、必ずセミコロン(「;」)をつけるべきだということです。
なぜなら、セミコロンをつけないとエラーが発生するからです。
よく他の方の記事では、「JavaScriptなのでセミコロンは省略してもOK」という意見が書かれています。
しかし、エラーが発生する場合もあるので、基本的にセミコロンの省略は非推奨です。

実際、私はRPGツクールMVでゲームを作っていた時に、スクリプトのセミコロンを省略したせいでエラーが発生しました。
たった一つのセミコロンを省略したせいで、デバッグに半日を費やすという苦い経験をしているのです。
なのであなたは、RPGツクールMVやRPGツクールMZでスクリプトを使う場合、必ずセミコロンをつけるようにしましょう。
まとめ:スクリプトを使って効率よくゲームを作ろう!

今回はRPGツクールMVやRPGツクールMZを使うあなたに向け、簡単に使える便利なスクリプトをご紹介しました。

RPGツクールMV/MZではスクリプトが使えると、効率よくゲームを制作できます。
そして、イベントコマンドだけでは実現できない要素も作成可能になります。
なので、RPGツクールMV/MZでゲームを作る場合は、今回ご紹介したスクリプトを積極的に使ってみましょう!
すると、あなたの作るゲームの可能性は圧倒的に広がりますよ!
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