ドット絵のゲームの作り方【初心者でも簡単に始められる2Dゲーム制作の方法】


ドット絵のゲームを作ってみたいです。
でも、どうやって始めたらいいのか分かりません。
ドット絵のゲームの作り方を教えてください!
こんなご要望にお応えします。
この記事の内容
- ドット絵のゲームを制作するメリットを解説
- ドット絵の2Dゲーム開発に必要な環境(PCやソフト)を紹介
- ドット絵のゲーム素材を準備する方法
- ドット絵の作り方を学ぶおすすめの方法
- 個人ゲーム制作の流れ(詳しく解説した当ブログの別記事を紹介)

ドット絵のゲーム制作に初めて挑戦する場合、どうやって作れば良いか迷われるかと思います。
「プログラミングとかできないけど作れるのかな?」
「ドット絵を作成したことがないけど大丈夫かな?」
こんなお悩みを抱えているかもしれません。
結論としてはどちらも大丈夫です。
プログラミングやドット絵の作成ができなくても、ドット絵のゲームは作れます。

私はこの15年で、ドット絵のゲームを7作品以上完成させています。
その経験から、ゲーム制作が初心者の方でも問題なく作れると言い切れます。
この記事を読めば、あなたはドット絵のゲームの作り方を知ることができます。
そして、今日から作り始めるための知識も手に入りますよ。
それではご覧ください!
ドット絵のゲームを制作するメリット

ドット絵のゲームにはたくさんの魅力があります。
例えば、下記のようなメリットがあります。
- プレイヤーに想像の余地を与えられる
- レトロゲーム好きな人の興味を引ける
- 3Dゲームに比べて制作にかかるコストが低い
メリット①:プレイヤーに想像の余地を与えられる
ドット絵は抽象度が高いため、細部に関してはプレイヤーが想像で補完してくれます。
「このキャラクター、どんな顔をしているんだろう?」
「たぶんこんな雰囲気で、年齢はこれくらいかな?」
このように、細部まで描かなくても、プレイヤー自身が頭の中で補完してくれるのです。

つまり、ドット絵のゲームでは、プレイヤー自身の想像がゲーム体験の一部になります。
メリット②:レトロゲーム好きな人の興味を引ける
商業ゲームでは3Dゲームが主流になって久しいです。
しかし、ドット絵のゲームは未だにユーザーからの根強い人気があります。
SFC時代の『ドラクエ』や『MOTHER2』など、レトロゲームを遊んだ世代(おおよそ30代以上)にとっては懐かしさを感じられます。
今でもドット絵のゲームに親しみを感じ、好んでプレイする人も多くみられます。
また、10代~20代の間でも、ドット絵の2Dゲームが好きという方も一定数います。
インディーゲームにおいても、ドット絵は一種のアートスタイルとして確立されているのです。

つまり、ドット絵のゲームにはまだ需要があるので作り甲斐があります。
フリーゲーム制作者やインディーゲーム開発者でも、活躍しやすい領域といえます。
メリット③:3Dゲームに比べて制作にかかるコストが低い
ドット絵のゲームは、制作規模によって異なりますが、基本的に3Dゲームに比べて作りやすいです。
まず、3Dゲーム開発とは違い、そこまで高性能なPCが必要ありません。
また、ゲーム開発にかかる工数も比較的少なく済みます。
3Dゲーム開発のようにZ軸を考慮しなくても良い分、ステージ作成や当たり判定の実装もシンプルです。

このように、資金面でも技術面でもコストを低く抑えられます。
ゲーム制作が初心者の個人でも、ドット絵のゲーム制作なら比較的簡単に始められるのです。
ドット絵のゲーム開発に必要な環境

さて、ドット絵のゲーム制作に必要な環境をご紹介します。
ドット絵のゲームを作るためには、下記の環境を準備する必要があります。
- 2Dゲーム開発に適したPC
- 簡単にドット絵のゲームを制作できるソフト
- ドット絵の制作に必要なソフト
- 2DCGやイラストの制作に必要なソフト
それぞれ順番に解説していきます。
2Dゲーム開発に適したPC

ドット絵の2Dゲームを開発するならPCが必要になります。
ゲーム制作ツールやペイントソフト、ドット絵エディタが快適に動かせる性能があれば必要十分です。
例えば、「第8世代以降のインテルCore i5 / 16GBメモリ / 240GB以上のSSD」程度の性能があれば問題ありません。
ただし、下記の場合はもう少しスペックが高いほうが良いでしょう。
- Unityで2Dゲームを開発する場合
- ゲーム用のムービーやアニメーションも作成する場合

エディターの動作が不安定になったり、レンダリングに時間がかかることもあるためです。
そのため、快適かつ自由にゲーム制作したい場合は、ある程度は性能の良いPCを用意するのがおすすめ。
例えば、以下の記事で紹介している「2Dゲーム開発向けPC」であれば大丈夫です。
»ゲーム開発におすすめのPCを厳選【必要なスペックと選び方も解説】
簡単にドット絵のゲームを制作できるソフト
ドット絵のゲームを開発可能なゲーム制作ツールには、色々なものがあります。

私もこれまでに、J-RPGCreator、ウディタ、ツクール2000など、さまざまなゲーム制作ソフトを使ってきました。
そんな中から、2025年現在でドット絵のゲーム制作におすすめのゲームエンジンは下記のとおり。
- RPGツクールMV/MZ
- Godot Engine
これらのツールが、ドット絵のゲーム開発におすすめの理由をお伝えします。
ドット絵のゲーム制作にRPGツクールMV/MZがおすすめの理由
RPGツクールは、ドット絵の2Dゲームを簡単に制作できる有料のゲーム制作ソフトです。

個人ゲーム開発でよく利用されており、私も実際に愛用しています。
ツクールシリーズはたくさんありますが、現在ならその中でもRPGツクールMVやRPGツクールMZが特におすすめ。
おすすめの理由は下記のとおり。
- ノーコード(プログラミング不要)で、誰でも簡単にゲームが作れるから
- 他の人が作成したプラグイン(拡張機能のようなもの)を借りて、機能を結構自由に拡張できるから
- PC用のダウンロードゲームだけでなく、ブラウザゲームやスマホアプリも作れるから
- RPG以外のジャンルのゲームも、工夫すれば制作可能だから(アドベンチャーやアクション、ノベルなども)
- 数多くの人に利用されているので、ツールを使う上で必要な情報がネット検索で手に入りやすいから
つまり、RPGツクールMV/MZは、ゲーム制作が初心者の方でも始めやすいのです。
そして、上手く使いこなせるようになれば、ハイクオリティなゲームも十分に実現できます。
なので、ドット絵のゲームを制作する場合はRPGツクールMV/MZを推奨します。
コスパを重視するなら、Steamのセール時に安く買えるRPGツクールMV。
アップデートなどのサポートも重視するなら、更新が継続されているRPGツクールMZがおすすめです。

実際のところ、MVもMZも実現できることに大きな違いはありません。
一応MZのほうが、エディタが少し使いやすくはなっています。
ドット絵のゲーム制作にGodot Engineがおすすめの理由
ドット絵の2Dゲームを作る場合、Godot Engineを使うのもおすすめです。
2Dゲームも3Dゲームも両方作れるゲームエンジンで、オープンソースなので完全無料で使えます。
UnityではなくあえてGodot Engineをおすすめする理由は下記のとおり。
- 最初から2Dゲームが作りやすい設計になっているから
- ドット絵をピクセルパーフェクトで表示する設定が簡単だから
- エディタの動作が軽快だから
- C#よりもGDScriptのほうがプログラミングが簡単だから

つまり、Unityよりもドット絵のゲーム開発との相性が良いのです。
ただし、Godotはノーコードでゲーム開発することはできません。
C#かC++またはGodot専用言語のGDScriptでプログラミングする必要があります。
したがって、プログラミング不要でゲーム開発したいなら、RPGツクールMV/MZ。
プログラミング有りでも自由度の高さを求めるなら、Godotを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、RPGツクールMZとGodotに関して、以下の記事で詳しくまとめています。
»ガチでおすすめのゲーム制作ツールは5つ!初心者向けに選び方も解説
ドット絵の制作に必要なソフト

次に、ドット絵の制作に必要なソフトをご紹介します。
正直なところ、ドット絵は一般的なペイントソフトでも作成は可能です。
しかし、ドット絵を打つのに特化したソフトを使うことで、効率的に素材を作成できます。
なので、ドット絵素材の制作には下記のソフトの使用を推奨します。
ソフト名 | 価格 | 最大色数 | 特徴 |
---|---|---|---|
EDGE | 無料 | 256色 | 機能が多くてアニメーション制作もしやすいが、操作が独特なので慣れが必要。 |
DotPainterALFAR | 無料 | 256色 | 機能は最低限だが、初心者にも扱いやすく、特に歩行グラフィックを作りやすい。 |
Aseprite | 有料 | 約1677万色 | 高機能で一般的なペイントソフトと操作感が似ていて使いやすい。 |
上記のとおり、フリーソフトに関しては一長一短あります。

実際に私も使用していましたが、無料で使える中ではこの2つが特に使い勝手が良いです。
ちなみに少し費用がかかっても良ければ、Asepriteを使うのが最もおすすめ。
定価でも決して高くはありませんが、少しでも節約するならSteamのセール時が狙い目です。
2DCGやイラストの制作に必要なソフト
ドット絵の2Dゲームでは、立ち絵やイベントCGでイラストを活用することも多いです。
そこで、ゲーム用にイラストを描く場合、ペイントソフトが必要になります。
ペイントソフトにはさまざまなものがあります。
その中でも、私が使ってきて一番良かったのはCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)です。

かつてはFireAlpacaやSAIなども使っていましたが、最終的に私はクリスタに落ち着きました。
というのも、他のソフトと比べても便利な機能が多く、絵を描くうえで使いやすいからです。
例えば、クリスタがイラスト制作で便利な点は下記のとおり。
- ブラシや素材が充実していて、好みでカスタマイズできる
- 3Dデッサン人形という機能があり、キャラクターのポーズも描きやすい
- はみ出し防止機能があり、効率的に色塗りできる
- 自動彩色や自動陰影といった機能もあり、色塗りのイメージの補助に役立つ
あと、買い切りも可能なので、一度買えばずっと使えるのも魅力の一つ。
あなたも2DCGやイラストを描く際は、クリスタを使えばきっと描きやすくなりますよ。
ちなみに、公式サイトでダウンロード版を買い切りするのが、コスパが良くておすすめ。
»安心と信頼のお絵かきソフトはこれ【CLIP STUDIO PAINT】
クリスタに関して、詳しくまとめた記事もあります。
参考にどうぞ。
»CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の評価と感想【PROとEXの違いも解説】
ドット絵のゲーム素材を準備する方法

ゲーム用のドット絵素材を準備する方法を紹介します。
下記のとおりです。
- ドット絵素材を自作する
- 素材サイトからダウンロードする
方法①:ドット絵素材を自作する
まずはシンプルに、ドット絵素材を自作するという方法です。
先ほどご紹介したドット絵制作ソフトを使って、あなた自身でドット絵を打つのです。
実はシンプルなドット絵であれば、たとえ絵が苦手でも作成できます。

実際、私はかつて絵がほとんど描けませんでしたが、8ビットカラーのドット絵を打っていました。
なので、ドット絵の作成は初心者の方でもチャレンジ可能です。
ちなみに、裏技的な方法になりますが、イラストや写真などをドット絵っぽくする方法も一応あります。
ドット絵変換に関しては、以下の記事で解説しています。
»画像やイラストをドット絵に変換できるおすすめのツールやサイトを紹介
方法②:素材サイトからダウンロードする
ゲーム用のドット絵は、素材サイトからダウンロードすることもできます。
例えば、BOOTHやItch.ioで購入したり、フリー素材サイトから無料で借りたりする方法があります。
とりあえず初めてゲームを作る場合は、フリー素材サイトからダウンロードするのが手軽でおすすめ。

ちなみに、私がおすすめするドット絵素材サイトは下記のとおり。
なお、ダウンロードした素材は、必ず利用規約を守って使いましょう。
基本的に、ゲームの説明書(Readme)に著作権表示の記載が必要です。
ドット絵の作り方を学ぶおすすめの方法

結論、ドット絵の作り方は、プロが書いた参考書を読んで学びましょう。
Web上で無料公開されている作り方から学ぶのは、結局のところ遠回りになるのでおすすめしません。
初めから「ガチで上手いプロの技術」を学んだほうが、間違いなくあなたのためになります。
また、書籍は必要な情報が体系的にまとまっており、効率的に学習するのにうってつけ。

なので、ドット絵の作り方は本から学ぶようにしましょう。
特に、以下の『ドット絵教室』という書籍は、実際にゲーム業界で実績のある方が書いています。
数あるドット絵の参考書の中でもイチオシ。
基本的に、この本の解説を読みながら、実際にマネして描いていくだけでOK。
そうすれば、あなたのドット絵の作成技術はみるみる上達していくことでしょう。
個人ゲーム制作の流れ
ちなみに、個人ゲーム開発は基本的に、下記の流れで進めていくことになります。
解説すると長くなってしまうので、ここではざっくりとご紹介します。
- ゲーム制作に必要な開発環境を準備する
- ゲームのアイデアを考える
- ゲームに使う素材を用意する
- ゲームを組み立てる
- テストプレイしてデバッグする
- README.txt(説明書)を書く
- ローカライズ(多言語対応)をする
- ゲームをリリースする
- フィードバックを基に改善していく
こんな感じです。
個人ゲーム制作の流れについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
制作のノウハウも解説しているので、参考にご覧ください。
»ゲーム制作の流れ【個人ゲーム開発の場合を詳しく解説】

個人ゲーム開発の全体像を把握しておくことで、迷わず効率的にゲーム制作を進められるようになります。
まとめ:ドット絵のゲームの作り方は簡単!さっそくゲーム制作しよう!
ドット絵の2Dゲームの作り方は、制作規模にもよりますが、3Dゲーム開発に比べれば簡単なことが多いです。
実際、RPGツクールMZを使うのであれば、ソフトにドット絵素材も同梱されているので、初心者でも簡単に作れたりもします。

つまり、開発環境さえ準備すれば、今日からでもドット絵のゲーム制作は始められるのです。
ドット絵のゲームは、まだまだプレイヤーからの人気があります。
なので、今から制作を始めても全然遅くはありません。
あなたもぜひ、ドット絵の2Dゲーム制作を始めてみてください!