自作ゲームの容量を減らす方法【画像や音声データサイズを圧縮】
開発中のゲームの容量が大きすぎて悩んでいます。
容量を減らしたいけど、どうやって減らせば良いのか分かりません。
自作ゲームの容量を減らす方法を教えてほしいです。
こんなお悩みを解決します。
この記事の内容
- 開発するゲームの容量を減らす方法を解説
- 画像データの容量を減らす方法3つ
- 音声データの容量を減らす方法2つ
ゲームを開発していると「容量を減らしたい!」と考えることもあるかと思います。
今回はそんなあなたに向け、自作ゲームの容量(データサイズ)を減らす方法を解説します。
ゲームの容量を効果的に減らしたい場合、とるべき手段は下記の2つ。
- 画像データの容量を減らす
- 音声データの容量を減らす
なので、この記事ではゲームに使用する「画像データ」と「音声データ」の容量を減らす方法をご紹介します。
ちなみに、公開するゲームの容量が大きすぎると、あなたに機会損失や不都合が生じるリスクがあります。
- ダウンロードしてもらえる機会を失う
- サイトへのアップロードに制限がかかって公開できない
こういったこともあり得てしまうのです。
なので、ゲーム開発時には容量のこともしっかり考慮しないといけません。
これからお伝えすることを実践すれば、あなたの自作ゲームの容量は確実に減らせます。
それではご覧ください!
自作ゲームの容量を減らす方法【画像や音声データサイズを圧縮】
自作ゲームの容量を減らしたい場合は、画像データと音声データの容量を減らしましょう。
なぜなら、ゲームデータの大半を占めるのが、「画像データ」と「音声データ」だからです。
- 画像データ(キャラクターイラスト・背景グラフィック・テクスチャなど)
- 音声データ(BGM・効果音など)
その他の「ソースコード」や「テキストデータ」などは、データサイズがそこまで大きくありません。
なので、容量を減らすのは画像データと音声データだけで問題ありません。
それではまず、画像データの容量を減らす方法から解説していきます。
画像データの容量を減らす3つの方法
画像データの容量を減らす方法を3つ解説します。
- 画像圧縮のオンラインツール「TinyPNG」を使う
- 画像編集ソフトで減色する
- JPG形式にする
方法①:画像圧縮のオンラインツール「TinyPNG」を使う
TinyPNGは、画像のデータサイズ(容量)を減らせるオンラインサービスです。
PNG形式とJPG形式の画像ファイルに対応しています。
TinyPNGは、数ある画像圧縮系サービスの中でも特に使いやすくてオススメ。
画質の劣化も少なく済み、画質を重視するゲームの開発とも相性は良いです。
Webページは英語で記述されていますが、使い方はいたってシンプル。
TinyPNGの使い方は下記の通りです。
TinyPNGの使い方
- 画像ファイルをTinyPNGのWebページにドラッグ&ドロップ。
- 「Download all images」をクリックして保存。
以上の2ステップで完了です。
画像をドラッグ&ドロップすれば、あとは自動でデータサイズが圧縮されます。
簡単かつ便利なので私もよく利用しています。
画像にもよりますが、だいたい元の容量の30%~70%くらいまで圧縮されます。
劣化が少ないとはいえ、さすがに拡大表示すると若干の劣化は視認できてしまいます。
とはいえ、実際にゲームで表示される際には、特に気にならないレベルの劣化具合です。
開発するゲームに使う画像は、基本的にすべてTinyPNGで圧縮しておけば間違いありません。
ただし、TinyPNGを使う際には注意点が2つあります。
下記のとおりです。
- 圧縮前(劣化前)の画像に戻すことはできない。
- 画像編集ソフトで読み込む際、本来の透過部分が黒色に置換されて表示されてしまう。
なので、TinyPNGを使う際は、事前に画像のバックアップをとっておきましょう。
また、ゲーム開発中に何度も修正するような画像は、ゲームリリース直前にのみ圧縮するのがオススメです。
方法②:画像編集ソフトで減色する
画像の容量を減らしたいときは、画像編集ソフトで「減色」処理を行うのも手段の一つです。
画像の内容にもよりますが、減色処理をすることで元の容量の20%~50%くらいまで圧縮することも可能です。
減色処理は「色数が少ない画像」または「少なくても問題のない画像」で行うのがオススメ。
色数が少ない場合は画質の劣化も生じないので、容量だけを減らすことができるからです。
減色処理はさまざまな画像編集ソフト(ペイントツールも含む)で行えます。
今回は、誰でも無料で使える「AzPainter2」を用いた減色のやり方を解説します。
AzPainter2を用いた減色処理の実行方法
- 画像ファイルをAzPainter2で開く。
- [フィルタ]タブ内の[カラー]-[減色(全体)]をクリック。
- 色数を「2、4、8、16、32、64、128、256」の中から選択して「OK」をクリック。
- [ファイル]タブ内の[上書き保存]または[別名で保存]で保存。
以上の4ステップで完了です。
ステップ③の補足として、色数を少なくすればするほど画像で使われる色数は減ります。
画像によって最適な色数を選んで実行するようにしましょう。
ちなみに、私はある程度は勘で色数を選んで減色しています。
慣れるまではアンドゥ(やり直し)を繰り返して、見栄えを確認しながら試してみると良いでしょう。
アンドゥは[Ctrlキー+Zキー]を押せば実行できます。
方法③:JPG形式にする
ゲーム開発ツール(ゲームエンジン)が、JPG形式の画像に対応している場合はJPG形式に変換して使用しましょう。
画像の内容にもよりますが、JPG形式のほうがデータサイズを小さく済ませられる場合があるからです。
特に、写真や複雑な色彩をもつ画像は、PNG形式よりもJPG形式のほうがサイズを小さくできる傾向にあります。
なので、上記のような画像はJPG形式に変換して使用しましょう。
ただし、透過画像に限ってはJPG形式は不向きです。
JPG形式は透過情報を保存する機能が備わっていないからです。
なので、透過のない画像のみ、JPG形式に変換するようにしましょう。
RPGツクールMV/MZでは、仕様上PNG形式の画像しか扱えないことにされています。
でも実は、JPG形式の画像もちょっとしたテクニックを駆使すれば使えます。
そのテクニックとは、JPG画像の拡張子を「.jpg」から「.png」に変更することです。
ファイル上で[右クリック]-[名前の変更]で、ファイル名の末尾にある拡張子を直接書き換えればOK。
すると、RPGツクールMV/MZがPNG画像と誤認識するので、JPG画像を扱えるようになります。
音声データの容量を減らす2つの方法
次に、音声データの容量を減らす方法を2つ解説します。
- 音声圧縮のオンラインツール「MP3Smaller」を使う
- RPGツクールMVで「音声を高速に読み込むプラグイン」を使う
方法①:MP3データ圧縮サービス「MP3Smaller」を使う
MP3Smallerは、MP3形式の音声データを圧縮できる無料のオンラインツールです。
MP3形式の音声データに対応しています。
MP3Smallerは、数ある音声圧縮系サービスの中でも、比較的使い勝手が良くてオススメ。
会員登録なども不要で、アップロードしたファイルも数時間後に削除されるので安心して利用できます。
Webページも日本語で表示されるので、外国語が苦手な場合でも直感的に使えます。
使い方もいたってシンプルで下記のとおりです。
MP3Smallerの使い方
- MP3SmallerのWebサイトにある「ブラウズ」をクリックする。
- 圧縮したいMP3ファイルを選択する。
- 圧縮レベルとして、好みのビットレートを選択する。
- 「ファイルをアップロード」をクリックする。
- 「Download File」をクリックしてダウンロードする。
以上の5ステップで完了です。
ステップ③の補足として、MP3ビットレートは下げれば下げるほど音質は悪くなります。
なので、あなたのゲームに使っても問題のないくらいの音質となるように設定しましょう。
ちなみに、私のおすすめは「一般的なファイルサイズ(MP3ビットレート128Kbps)」です。
両耳イヤホンやヘッドホンでゲームを遊ぶ際に、「まぁ、許容範囲かな?」という感じの音質になります。
方法②:RPGツクールMVで「音声を高速に読み込むプラグイン」を使う
RPGツクールMVでゲーム開発している場合は、「音声を高速に読み込むプラグイン」を使いましょう。
このプラグインを使うことで、同梱させる必要のあった「M4A形式の音声データ」が無くてもOKになります。
つまり、OGGデータだけを用意すれば良いので、その分ゲームの容量を減らせるというわけです。
また、2種類のファイルを用意しなければいけない手間も省けるので、作業の効率化にもつながります。
なので、ゲーム開発期間を短くするためにも知っておいたほうが良いです。
音声を高速に読み込むプラグインの使い方
- くらむぼんさんのフォーラム(音声を高速に読み込むプラグイン)から、3つのプラグインのファイルをダウンロードする。
- RPGツクールMVのゲームプロジェクトフォルダから、[js]-[plugins]フォルダを開く。
- [plugins]フォルダに、「AudioStreaming.js 」「 stbvorbis_stream.js」「stbvorbis_stream_asm.js」の3ファイルを入れる。
- RPGツクールMVの「プラグイン管理」から、「AudioStreaming.js」をONにする。
以上、4つの手順を行えば完了です。
これでM4Aファイルが無くても良くなるので、M4A形式の音声データは削除して問題ありません。
ちなみに、RPGツクールMZの場合は、仕様上OGG形式に統一されているのでやらなくてOKです。
ただし、スマホ用のゲームアプリを作る場合は、「音声を高速に読み込むプラグイン」の使用は控えたほうが良いです。
なぜなら、スマホでアプリを起動する際に、エラーが発生する恐れがあるためです。
実際、私はRPGツクールMVでスマホアプリを作った際、このプラグインを使ったことでエラーが発生しています。
なので、スマホ用のゲームアプリを作る場合は、代わりに「oggファイルだけで音声を再生するプラグイン」を使うようにしましょう。
このプラグインであれば、アプリ起動時のエラーは発生しません。
こちらもくらむぼんさんが作成したプラグインで、使い方もほとんど同じです。
まとめ
今回は、ゲーム開発者の方に向けて、ゲームのデータサイズを減らす方法を解説しました。
ゲームに使うデータの大半を占める「画像データと音声データ」を圧縮すれば、ゲームの容量を大幅に減らせます。
冒頭でもお伝えしましたが、ゲームをリリースする際は、データサイズは小さくしておいたほうが良いです。
ユーザーにダウンロードしてもらう機会の損失を避けられます。
リリース時にアップロードサイズの制限で苦労することもなくなります。
なので、ゲームのデータサイズは、クオリティに問題が生じない限りはなるべく小さくするようにしましょう。