椅子を動かして上に乗れるイベントの作り方【RPGツクールMV】


椅子を動かして、その椅子に乗って棚の上のアイテムをとるイベント。
その作り方を教えてほしい!
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
- 椅子を動かして上に乗れるイベントの作り方
- 初級者向け:鉄球を転がす
- 中級者向け:穴まで鉄球を転がして落とす
- 上級者向け:目的地まで踏み台を押して乗り降りする
本記事の信頼性

この記事を書いた私は、ゲーム制作歴10年。
自作ゲームは27万プレイ突破・ゲームコンテスト6回以上受賞。
ゲーム制作の講師経験もあり、個人開発ゲームも販売しています。
脱出ゲームによく登場する「椅子を動かす」イベントの作り方です。
初心者の方だと意外とつまずきやすいポイントです。
でも一度覚えてしまえば簡単です。
椅子を動かして上に乗れるイベントの作り方【RPGツクールMV】

この記事の目的のイベントを作るには、まず基礎知識をつけないといけません。
基礎を身につけるために、下記3段階のレベルに分けて解説します。
順番にこなしていくことで基礎が身に付きます。
最終的に、椅子(踏み台)を動かして乗り降りするイベントを、いともたやすく作れるようになります。
では、実際に作ってみましょう。
初級者向け:鉄球を転がす
- 置きたいマスをダブルクリックしてください。
すると「イベントエディター」画面が表示されます。
- 【名前】をお好みでつけてください。※私は「謎の鉄球」にしました。
- 【画像】を変更してください。※私は鉄球にしました。
- 「自律移動」の「速度:」を 【4:標準速】に変更してください。
- 「トリガー」を 【プレイヤーから接触】に変更してください。
- 「実行内容」の下をダブルクリックし、「イベントコマンド」画面を表示してください。
- タブを【2】に切り替えてください。
- 【移動ルートの設定】をクリックし、「移動ルートの設定」画面を表示してください。
- 左上のプルダウンメニューで【このイベント】に変更してください。
- 「オプション」の【移動できない場合は飛ばす】だけに【☑(チェックマーク)】を入れてください。
- 「移動コマンド」の【プレイヤーから遠ざかる】をクリックしてください。
左に「プレイヤーから遠ざかる」が追加されたことを確認してください。 - 【OK】をクリックして「移動ルートの設定」画面を閉じてください。
- 【OK】をクリックして「イベントエディター」画面を閉じてください。
以上で完成です。
画像1-1 右上の【再生ボタン】を押してテストプレイしてください。
中級者向け:穴まで鉄球を転がして落とす
穴の座標(5,4)まで鉄球を転がすと、鉄球が落ちたことにするイベントを作ります。
◆注釈://1.移動前の鉄球の位置を変数1に記録
◆変数の操作:#0001 [鉄球X*1000+Y]移動前 = このイベントのマップX
◆変数の操作:#0001 [鉄球X*1000+Y]移動前 *= 1000
◆変数の操作:#0001 [鉄球X*1000+Y]移動前 += このイベントのマップY
◆注釈://2.鉄球をプレイヤーのいる反対側に移動
◆移動ルートの設定:このイベント (飛ばす)
: :◇プレイヤーから遠ざかる
◆ウェイト:1フレーム
◆注釈://3.鉄球の移動後の位置を変数2に記録
◆変数の操作:#0002 [鉄球X*1000+Y]移動後 = このイベントのマップX
◆変数の操作:#0002 [鉄球X*1000+Y]移動後 *= 1000
◆変数の操作:#0002 [鉄球X*1000+Y]移動後 += このイベントのマップY
◆注釈://4.変数1と変数2の値を比較し、値が異なっていれば動かす音を再生
◆条件分岐:[鉄球X*1000+Y]移動後 ≠ [鉄球X*1000+Y]移動前
◆SEの演奏:Push (90, 100, 0)
◆
:分岐終了
◆注釈://5.鉄球が目的地(5,4)にあるか確認
◆条件分岐:[鉄球X*1000+Y]移動後 = 5004
◆注釈://6.目的地にあったら落ちたとしてスイッチ1をONに
◆SEの演奏:Wind7 (90, 60, 0)
◆スイッチの操作:#0001 鉄球落とした = ON
◆
:分岐終了
- 「変数:001」に移動前の「(鉄球のX座標)×1000+(鉄球のY座標)」を代入。
こうすることで、座標情報を1つの変数に入れることができます。 - 鉄球を移動。
この時必ず「ウェイト:1フレーム」を入れてください。
入れないと変数2に移動前の座標情報が代入されてしまいます。 - 「1.」と同じ要領で移動後の鉄球の座標情報を代入。
- 変数1と変数2の値が異なれば移動したということなので移動音を再生。
ちなみに等ければ移動していないということなので再生されません。 - 移動後の座標情報が穴の座標情報と等しいか確認。
変数1に代入したのは座標情報X×1000+Yなので、穴の座標情報は5004です(5×1000+4より)。 - 移動後の座標情報が穴の座標情報と等しければ、鉄球が穴に落ちたとして落ちた音を再生し、スイッチ1をONにします。
- 2ページ目にはスイッチ1がONになった場合のイベントを記述します。
今回は穴に落ちたというように見せればいいだけなので空っぽのままです。
以上で完成です。
テストプレイして動作確認してください。
上級者向け:目的地まで踏み台を押して乗り降りする
絨毯の座標(5,4)まで踏み台を押し、そこで決定キーを押すと踏み台に乗るイベントを作ります。
◆注釈://移動前の踏み台の座標を変数1に記録
◆変数の操作:#0001 [踏み台X*1000+Y]移動前 = このイベントのマップX
◆変数の操作:#0001 [踏み台X*1000+Y]移動前 *= 1000
◆変数の操作:#0001 [踏み台X*1000+Y]移動前 += このイベントのマップY
◆注釈://踏み台の移動
◆移動ルートの設定:このイベント (飛ばす)
: :◇プレイヤーから遠ざかる
◆ウェイト:1フレーム
◆注釈://移動後の踏み台の座標を変数2に記録
◆変数の操作:#0002 [踏み台X*1000+Y]移動後 = このイベントのマップX
◆変数の操作:#0002 [踏み台X*1000+Y]移動後 *= 1000
◆変数の操作:#0002 [踏み台X*1000+Y]移動後 += このイベントのマップY
◆注釈://踏み台を移動したときの音
◆条件分岐:[踏み台X*1000+Y]移動前 ≠ [踏み台X*1000+Y]移動後
◆SEの演奏:Push (90, 100, 0)
◆
:分岐終了
◆注釈://踏み台が目的地についたとき
◆条件分岐:[踏み台X*1000+Y]移動後 = 5004
◆スイッチの操作:#0001 踏み台目的地まで動かした = ON
◆
:分岐終了
ここについては中級者向けとほぼ同じです。
- 「変数:001」に移動前の「(踏み台のX座標)×1000+(踏み台のY座標)」を代入。
こうすることで、座標情報を1つの変数に入れることができます。 - 踏み台を移動。
この時必ず「ウェイト:1フレーム」を入れてください。
入れないと変数2に移動前の座標情報が代入されてしまいます。 - 「1.」と同じ要領で移動後の踏み台の座標情報を代入。
- 変数1と変数2の値が異なれば移動したということなので移動音を再生。
ちなみに等ければ移動していないということなので再生されません。 - 移動後の座標情報が絨毯の座標情報と等しいか確認。
変数1に代入したのは座標情報X×1000+Yなので、絨毯の座標情報は5004です(5×1000+4より)。 - 移動後の座標情報が絨毯の座標情報と等しければ、踏み台が目的地に着いたとしてスイッチ1をONにします。
◆注釈://踏み台に乗ってるように見せる
◆場所移動:MAP001 (5,3) (向き: 左)
◆スイッチの操作:#0002 踏み台に乗っている = ON
2ページ目は「トリガー」を【決定ボタン】にしてください。
キャラクターが踏み台に乗っているように見せるため、踏み台の座標(5,4)より1個上の座標 (5,3) にプレイヤーを場所移動させます。
◆注釈://棚と壁以外の方向を向いたときに飛び降りる
◆条件分岐:プレイヤーが下を向いている
◆移動ルートの設定:プレイヤー (ウェイト)
: :◇ジャンプ:+0, +2
◆スイッチの操作:#0002 踏み台に乗っている = OFF
◆
:分岐終了
◆条件分岐:プレイヤーが右を向いている
◆移動ルートの設定:プレイヤー (ウェイト)
: :◇右を向く
: :◇向き固定ON
: :◇ジャンプ:+1, +1
: :◇向き固定OFF
◆スイッチの操作:#0002 踏み台に乗っている = OFF
◆
:分岐終了
◆注釈://ウェイトを入れてループによる処理落ちを抑える
◆ウェイト:3フレーム
3ページ目は「トリガー」を【並列処理】にしてください。
棚・壁以外の方向を向いたときに飛び降りるようにします。
以上で完成です。
テストプレイで動作確認してください。
まとめ:RPGツクールMVで椅子を動かすイベントの作り方は簡単ですね

やり方さえ覚えれば、あとは簡単に作れるかと思います。
慣れてきたら他のことにも応用してみてください。
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