足音を鳴らすイベントの作り方【RPGツクールMV/MZ向け】


RPGツクールMV(RPGツクールMZ)を使って、ゲーム制作をしています。
キャラクターの移動時に足音を鳴らしたいです。
足音を鳴らすイベントの作り方を教えてください。
こんなご要望にお応えします。
この記事の内容
- RPGツクールMV/MZユーザー向けに、足音を鳴らすイベントの作り方を解説

最初にお伝えしておくと、足音を鳴らす要素はプラグインを使えば一応実装可能です。
しかし、プラグインの場合は柔軟な設定が難しいです。
基本的にプラグインで用意された設定項目に限られます。
そのため足音を鳴らす要素は、なるべくイベントで自作するのをおすすめします。

イベントで自作することで、柔軟かつ自由な設定が可能になります。
例えば、以下のような足音設定が可能です。
- 地形タグごとに足音を変える
- 移動するキャラクター(イベント)ごとに足音を変える
- マップごとに足音を変える
- 足音を鳴らす頻度を調整する
- プレイヤー以外にも足音を適用できる
この記事でお伝えする方法を真似すれば、あなたはRPGツクールMV/MZ製ゲームに足音を実装できます。
それではご覧ください!
まずは足音イベントの作成に必要なものを準備しよう

RPGツクールMV/MZで足音イベントを作成する際、必要なものは以下のとおりです。
- 足音の効果音素材
- 変数
- スイッチ
- タイルセットへの地形タグの設定
足音の効果音素材を準備する方法
足音イベントを作るので、大前提として足音の効果音が必要です。

しかし、効果音を自作するのは初めてだと大変かと思います。
なので、足音として使う効果音は、基本的にフリー素材サイトからダウンロードするのがおすすめ。
例えば、以下のフリー素材サイトを利用するのが良いでしょう。
»効果音ラボ
上記サイトの画面右上に検索バーがあるはずです。
そこに「足音」と入力して検索してみてください。
すると、公開されている足音素材が複数件ヒットするはずです。
必要な効果音を選んで、PCにダウンロードしましょう。
ダウンロードした素材は、おそらくmp3形式になっているはずです。
mp3のままで使えたら楽ですが、残念ながらRPGツクールMV/MZで使用するには、ogg形式に変換する必要があります。
効果音素材をogg形式に変換する方法
mp3形式の音声ファイルは、さまざまなソフトでogg形式に変換できます。

今回は、Audacityというフリーソフトで変換する方法をご紹介します。
まず、Audacityを以下のページからダウンロードし、あなたのPCにインストールしてください。
»「Audacity」無料の音声編集ソフト – 窓の杜
次に、変換したい音声ファイルをAudacityで読み込んでください。
そして、[ファイル]タブ内の[オーディオをエクスポート]を選択し、[コンピューターにエクスポート]を選択してください。
その後、保存先の[フォルダー]を「デスクトップ」などの任意の場所に変更しましょう。
あとは、[形式]を「Ogg Vorbis ファイル」に変更し、[エクスポート]を選択すればogg形式への変換は完了です。
変数を準備しよう
RPGツクールMV/MZで足音イベントを作る際は、変数を使用します。
以下のとおり、変数を5つ作成してください。
- 変数1:キャラX座標
- 変数2:キャラY座標
- 変数3:キャラ位置
- 変数4:キャラ位置前回
- 変数5:キャラ地形タグ

なお、使用する変数番号はあなたの自由です。
各変数について、なぜ必要なのか説明しておきます。
「変数1:キャラX座標」と「変数2:キャラY座標」
これらの変数は、足音を鳴らすキャラクターのX座標とY座標を取得するために使用します。
次の「変数3:キャラ位置」に代入させる値を計算するのに必要です。
「変数3:キャラ位置」
「変数3:キャラ位置」は、キャラクターの座標情報を1つにまとめた変数です。
「変数1:キャラX座標」と「変数2:キャラY座標」の値から計算して代入させます。
キャラクターの座標情報を1つの変数にまとめることで、条件分岐の記述をシンプルにできます。
「変数4:キャラ位置前回」
これは、キャラ位置の過去の値を代入するための変数です。
キャラクターが移動したことをチェックするために必要になります。
「変数5:キャラ地形タグ」
この変数は、キャラクターが存在する座標の地形タグを取得するのに使います。
地形タグを取得することで、移動する場所によって足音を変えることができます。
スイッチを準備しよう
RPGツクールMV/MZで足音イベントを作る際は、スイッチも使用します。
以下のとおり、スイッチを2つ作成してください。
- スイッチ1:足音再生許可
- スイッチ2:足音連続再生防止

なお、使用するスイッチ番号はあなたの自由です。
各スイッチについて、なぜ必要なのか解説しておきます。
「スイッチ1:足音再生許可」
このスイッチは、足音を鳴らす場面と鳴らさない場面を分ける場合に使用します。
スイッチをOFFにすれば、足音の再生をしないように設定できるようになります。
「スイッチ2:足音連続再生防止」
このスイッチは、足音を再生する頻度を調整するために使用します。
キャラクターの移動速度によっては、連続して再生すると少々うるさい場合があります。

そのうるささへの対策として、このスイッチを活用します。
特に気にならなければ無くても問題ありませんが、基本的に用意しておくことを推奨します。
タイルセットに地形タグを設定しよう
歩く場所によって足音を変えるには、RPGツクールMV/MZでは地形タグを活用します。

タイルセットの各タイルに地形タグを設定しましょう。
例えば、以下のような設定の仕方を参考にしてください。
- 芝生っぽいマスなら1
- コンクリートっぽいマスなら2
- 砂地っぽいマスなら3
- 雪道っぽいマスなら4
- 木材っぽいマスなら5 など
なお、タイルセットに地形タグを設定する際は、[データベース]タブ-[タイルセット]で、[地形タグ]ボタンをクリックすることで設定できます。
足音を鳴らすイベントを作ろう【RPGツクールMV/MZユーザー向けに解説】
今回は、マップイベントでプレイヤーが操作するキャラクターに足音を適用する場合で解説します。
もし、プレイヤー以外に足音を適用したい場合は、「プレイヤー」の部分を読み替えればOK。
実際のところ、「キャラX座標」と「キャラY座標」で取得する値の参照元を変えるだけです。
足音イベントの完成形
足音イベントは、基本的に実行内容が少なく、シンプルに作れます。
以下、2枚の画像に分けていますが、どちらも同じイベントで同じページ内の記述です。
見切れてしまうので2枚の画像に分けました。

上記の画像は、解説用に作ったイベントなので、実際はこんなに注釈(コメント)は入れなくてもOK。
さて、上記2つの画像に記述している足音のイベントの実行内容は、以下のとおりです。
◆変数の操作:#0001 キャラX座標 = プレイヤーのマップX
◆変数の操作:#0002 キャラY座標 = プレイヤーのマップY
◆指定位置の情報取得:キャラ地形タグ, 地形タグ, ({キャラX座標},{キャラY座標})
◆変数の操作:#0003 キャラ位置 = キャラX座標
◆変数の操作:#0003 キャラ位置 *= 1000
◆変数の操作:#0003 キャラ位置 += キャラY座標
◆条件分岐:キャラ位置 ≠ キャラ位置前回
◆スクリプト:let adswitchId = 2;
: :$gameSwitches.setValue(adswitchId, !$gameSwitches.value(adswitchId));
◆条件分岐:足音連続再生防止がOFF
◆条件分岐:キャラ地形タグ = 1
◆SEの演奏:Ashioto1 (10, 100, 0)
◆
:分岐終了
◆条件分岐:キャラ地形タグ = 2
◆SEの演奏:Ashioto2 (10, 100, 0)
◆
:分岐終了
◆条件分岐:キャラ地形タグ = 3
◆
:分岐終了
◆
:分岐終了
◆変数の操作:#0004 キャラ位置前回 = キャラ位置
◆
:分岐終了
◆ウェイト:3フレーム
また、このマップイベントの出現条件やトリガーは、以下のように設定しましょう。
出現条件 | 「スイッチ1:足音再生許可」がONの時 |
---|---|
トリガー | 並列処理 |
足音イベントの実行内容について解説
上記イベントの実行内容について解説します。

何の目的でどういう処理をしているのか、理解を深めるためにご覧ください。
- プレイヤーが今いる座標を取得
- 取得した座標から地形タグを取得
- 取得した座標の情報を1つの変数にまとめる
- 前回のキャラ位置と現在のキャラ位置を比較
- 比較して値が異なる場合、移動したということなので足音の再生の準備をする
- 足音が連続で再生されるとうるさいので、スイッチのONとOFFを切り替え、OFFの時にのみ足音を再生するようにする
- 地形タグごとに足音を変更して再生
- 前回のキャラ位置を保存している変数に、現在のキャラ位置の変数の値を上書き
- ループ処理による処理落ちを軽減するため、ウェイトを1~3フレームほど入れる
こんな感じで処理が実行されます。
ちなみに、上記の実行内容中のスクリプトは、指定したスイッチのONとOFFを逆転するコードです。

今回はスイッチ2のONとOFFを逆転させています。
このような知っておくと便利なスクリプトは、以下の記事にまとめています。
ご興味があればご覧ください。
»知っていると便利なスクリプト一覧【RPGツクールMV/MZ用】
足音イベントは、マップイベントとコモンイベントのどちらで作成するべきか
RPGツクールMV/MZでは、「マップイベント」と「コモンイベント」の2種類があります。
それぞれの違いを解説すると以下のとおり。
マップイベント | そのマップでしか処理されないイベント |
---|---|
コモンイベント | どのマップにいても処理されるイベント |
上記の2つのうち、足音イベントをどちらに記述すべきか?
結論としては、どちらでも問題ありません。
以下のケース別で、足音イベントの作成先を変えると良いでしょう。
- 操作キャラクター(プレイヤー)に足音を適用したい場合は、コモンイベント
- プレイヤー以外のマップイベントに足音を適用したい場合は、マップイベント
ちなみに、今回はマップイベントで作成する方法で解説しました。
もし、コモンイベントでプレイヤーの足音を作成したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
»コモンイベントの便利な活用法【RPGツクールMV/MZ向け】

上記の記事内で、コモンイベントでプレイヤーの足音を作成する方法について解説しています。
今回との違いは、座標の取得から移動のチェックまでを別のコモンイベントで実行しているという点です。
つまり、今回のマップイベントを、2つのコモンイベントに分けて実行しているのが異なる部分といえます。
まとめ:足音を鳴らすイベントの制作知識は、イスを動かすイベントの制作にも応用可能

以上が、RPGツクールMV/MZユーザー向けの足音イベントの作り方です。
すごく簡単にまとめると、以下のとおりとなります。
- 足音用の地形タグをタイルセットの任意のマスに設定
- 変数でプレイヤーがいる座標と地形タグを取得
- プレイヤーの位置が変わったら、地形タグに応じて足音を再生する

こんな感じで、とても簡単に作れます。
今回の足音イベントを難なく作れるようになれば、大抵のイベントは自力で作れるようになるはずです。
ぜひ一度チャレンジしてみてください。
ちなみに、今回お伝えしたことは、実はイスを動かすイベントの制作にも応用可能です。
イスを押した際に音が鳴るようにする仕組みに、今回の足音を鳴らすイベント作成のテクニックを活用できるのです。
RPGツクールMV/MZで脱出ゲームや謎解き要素を制作する際は、ぜひイスを動かすイベントも作成してみてください。

以下の記事で、イスを動かしてイスの上に乗るイベントの作り方を解説しています。
こちらもぜひ参考にご覧ください。
»イスを動かして上に乗るイベントの作り方【RPGツクールMV/MZ向け】