【ゲーム制作】ゲーム用イラストの描き方【裏技も紹介】
ゲーム用イラストってどうやって描くんだろう?
普通のイラストとゲーム用イラストって何が違うんだろう?
どんなことに注意して描けばいいの?
ゲームイラストの描き方を教えてほしい!
こんな悩みを解決します。
この記事の内容
- ゲーム用イラストを描くために必要なツール
- ゲーム用イラストの基本的な描き方
- ゲーム用イラストを描くときの注意点
- イラストを描くときの裏技
今回は「ゲーム制作でゲーム用イラストを描く方法」の解説です。
初めて「ゲームイラストを描きたい!」と思っても「普通のイラストとどう違うのか?」「どんなことに気を付けないといけないのか?」が良くわからないですよね。
実際、私もゲームのイラストを描くようになったとき、どんなことに注意すべきなのかわかっていませんでした。
そのせいでゲーム制作が円滑に進まず、リリースが遅れてしまったなんていう失敗をしています。
ですが私は、10年以上ゲームを続けたおかげで「ゲーム用イラストを描く時の注意点」を把握しました。
なので今回は、そんな私の経験から得た「ゲーム用イラストの描き方」について解説します。
ちなみにゲーム用イラストを描くのは、普通のイラストを描く時とは「作り方や考え方」がけっこう違います。
この記事を読めば、あなたはゲーム用イラストの描き方を知ることができます!
【ゲーム制作】ゲーム用イラストの描き方【裏技も紹介】
下記の順番で解説します。
- ゲーム用イラストを描くために必要なツール
- ゲーム用イラストの基本的な描き方
- ゲーム用イラストを描くときの注意点
- イラストを描くときの裏技
それではご覧ください!
ゲーム用イラストを描くために必要なツール
まず大前提として、ゲーム用意イラストを描くときはデジタルで描かないといけません。
アナログで描いてスキャナで取り込む方法をとると、どうしても絵の色にムラができます、後から修正が必要になった際に大変だからです。
あと、ゲームに使うイラストには、リテイク(描きなおし)が頻繁に必要になります。
いちいちアナログで描きなおして取り込んでいては非効率的というわけです。
なので、ゲーム用イラストを描くときは下記ツールを必ず使用してください。
- ペンタブレット
- ペイントソフト
どちらもデジタルイラスト制作に必須のツールです。
ペンタブレット
ペンタブレットとは、デジタルで絵を描くためのタブレット(端末)のことです。
アナログに近い感覚でペンを使ってデジタルイラストを描くことができます。
ちなみにペンタブレットには「板タブレット」と「液晶タブレット」の2種類があります。
「板タブレット」は画面がついていないタイプのペンタブレットです。
パソコンの画面を見ながら描くので、アナログとちがって感覚に慣れる必要があります。
対して「液晶タブレット」は画面がついているタイプのペンタブレットです。
板タブレットとは違って画面に直接絵が描けるので、アナログで紙に描くのと非常に近い感覚で描けます。
なので結論、液晶タブレットを使うのがオススメです。
価格はちょっとだけ板タブレットよりも高いです。
でもその分、めちゃくちゃイラストが描きやすいです!
ぶっちゃけ板タブレットだと、思った位置に線が引けなかったりしてやり直しが発生しまくります。
でも液晶タブレットなら、直接描きたい場所に線が引けるので圧倒的に描く効率が上がるんです。
下記の記事でおすすめのペンタブ・ペンタブの選び方を解説しています。
まだペンタブレットを持っていない方は、イラストを描くために必ず用意しましょう。
参考»ペンタブレットと液晶タブレットの選び方【おすすめも10種紹介】
ちなみに私は、最初は板タブレットを使っていました。
でも今は買い換えて液晶タブレットを使っています。
圧倒的に絵が描きやすいので効率もめちゃくちゃアップしましたよ!
ペイントソフト
ペイントソフトは、デジタル上でイラストを描くためのソフトウェアです。
これがないとデジタルでイラストは描けません。
ペイントソフトには無料と有料のものがありますが、有料のものを強くオススメします。
なぜなら有料ペイントソフトのほうが圧倒的に機能が多くて使いやすいからです。
無料のペイントソフトから使っても、絵が上達してけっきょく有料のペイントソフトに買い替えることになります。
ならば最初から有料ペイントソフトを使っておいたほうが損しません。
私も昔は無料のペイントソフトを使っていましたが、結局有料のペイントソフトに買い換えました。
なので、最初から描きやすいツールで描くためにも、有料のペイントソフトを使いましょう!
ちなみに私のイチオシは、CLIP STUDIO PAINT PRO です。
利用者数No.1のペイントソフトでして、300万人以上に利用されており圧倒的な人気を誇ります。
絵に自動で色をぬってくれる機能があったり、線からはみ出さないように色がぬれたりとスゴイ機能がそろっています。
ちなみに私もこのペイントソフトを使っています。
以前に使っていたソフトよりも圧倒的に描きやすくなりました!
なので迷ったらコレにしておけば失敗しません。
他にもおすすめのペイントソフトはあるので、下記の記事からあなたの使いたいペイントソフトを探してください。
参考»ペイントソフトのおすすめはこれ!お絵描きツール比較【無料/有料】
ゲーム用イラストの基本的な描き方
ここまででイラストを描くのに必要なツールがわかりました。
ここからは本題の「ゲームイラストの描き方」について解説します。
とはいっても基本的なイラストの描き方はほぼ一緒です。
普通のイラストのように「①ラフ画制作→②線画制作→③着色→④仕上げ」という流れで描いていけばOKです。
ただし、「②線画制作」「③着色」と「④仕上げ」の部分でゲーム用イラスト特有の描き方が必要になります。
ではさっそく解説していきます。
ラフ画制作
ラフ画とは、大まかなイメージを短時間でざっくりと描いた絵のことです。
イメージに合うように繰り返し描いていく工程です。
簡単に言うなら「下書き」の段階ですね。
下書きとは言ってもテキトーに描きすぎると次の工程「②線が制作」で苦労することになります。
なので、誰に見せても何の絵なのかが伝わるくらいにしっかりと描いてください。
線画制作
線画とは、ラフ画の余分な線を消して1本の線で綺麗に描くことです。
基本的にラフ画の上にレイヤー(層)を作成し、ラフ画をなぞるように描きます。
このとき、「線のはみ出し」や「線と線の隙間」が無いようにつなげて描く必要があります。
もし隙間があいていると、着色の際にバケツ塗り(線内塗りつぶし)を使用したときに線外にも着色されてしまうからです。
この工程でゲーム用イラストのクオリティが大きく変わります。
気を抜かずにしっかりと線画を制作してください。
ちなみにゲーム用イラストでは、この線画を描く際に各パーツで分ける必要があります。
なぜならゲームではキャラクターイラストは動かすことが前提だからです。
なので今回のような「顔グラフィック」の場合は、表情差分を作成するために「目」と「口」はそれぞれレイヤーを分けて制作してください。
着色
着色は、作成した線画に色を塗る工程です。
描く絵を複数のパーツに分け、パーツごとに色を塗っていきます。
例えば人物を描く場合は、肌・髪・目・口・服・影をそれぞれのレイヤーに分けて描きます。
こうすることで、もし後で色を変更することになっても、その部分だけ修正することができます。
ちなみにゲーム制作用イラストの場合は、こちらも線画と同様にパーツを分けて色を塗ってください。
特にイラストを動かすための表情差分に使う「目」と「口」は忘れずに分けて塗りましょう。
仕上げ
仕上げでは、ゲームの雰囲気に合わせて「色調」や「明度」などを調整します。
ゲームの背景や雰囲気、他のキャラクターに馴染むように調整していきます。
もし仕上げをしないと、ゲームの雰囲気に合わず1キャラクターだけ浮いてしまいます。
なので、めちゃくちゃ仕上げは大事です。
なのでゲーム用イラストを描く場合は、実際のゲーム画面に合わせながら色・明るさ・コントラストを調整してください。
ゲーム用イラストを描くときの注意点
ここまででゲームイラストの基本的な描き方を解説しました。
次にゲームイラストを描く際の注意点について解説します。
作るゲームのジャンルによって、実はゲームイラストの描き方が大きく変わります。
なので、あなたの作りたいゲームジャンルに合わせて描き方を変える必要があるのです。
それではご覧ください。
アクションゲームなど動きの多いゲームを作る場合
例えば、アクションゲームでキャラクターグラフィックを描くとします。
こんな時は、キャラクターにさせる動作に注意して描かないといけません。
なぜならアクションゲームは、他ジャンルよりもキャラクターの動きが多くなる傾向にあるからです。
例えば、『ストリートファイター』のような格闘ゲームだと、戦うための動作として身体全体を動かす必要がありますよね。
なので、髪形や服装などが複雑なキャラクターイラストを描いてしまうと、動かさないといけない箇所が大量になってしまいます。
そんな絵を描くのはめちゃくちゃ大変ですし、ゲームとしてもキャラクターを動かすのに膨大な処理が必要になってしまいます。
つまり、複雑なキャラクターイラストを描いてしまうと、イラストを描く作業もゲームのプログラムをする作業も圧倒的に増えてしまうということです。
なので、アクションゲームのような動きの多いゲームを制作する場合は、複雑なキャラクターイラストは描かないように注意してください。
簡単に動かせるような「シンプルなキャラクターイラスト」が望ましいです。
アドベンチャーゲームなど動きの少ないゲームを作る場合
例えば、アドベンチャーゲームでキャラクターの立ち絵を描くとします。
こんな時は、キャラクターの全体像と表情を分けて作成しないといけません。
こうする理由は、ゲームデータサイズの節約と処理を重くしないためです。
表情毎に立ち絵を作成すると、それだけゲームデータのサイズが大きくなってしまいます
データサイズが大きいと様々な問題が発生します。
例えば、Webサイト上でゲーム公開をするような場合がわかりやすいです。
①立ち絵を表示するたびに通信が発生してサーバーを圧迫してしまう。
②他サイト上に投稿するときに、データのアップロード制限にかかってゲームが公開できなくなる。
また、表情ごとで立ち絵を用意してしまうと、ダウンロードゲームでも問題が発生します。
キャラクターの表情の切り替わりが多いゲームだと、ゲームの動作が重くなる可能性が高くなるのです
キャラクターの表情が変わるたびに、立ち絵のデータを丸ごと読み込まないといけなくなるので、動作が重くなるのは当たり前ですよね。
たとえ重くはならなくても画面にチラつきが発生する可能性は十分ありえます。
なので「表情のデータ」と「身体(全体像)のデータ」は必ず分けて作成してください。
つまり、ゲーム上では「身体のデータ」の上に「表情のデータ」を表示する2重構造にします。
イラストを描くときの裏技
最後に「イラストを描く時の裏技」をご紹介します。
結論を言ってしまうと「自動着色を使う」です。
最初にご紹介したCLIP STUDIO PAINT PRO というペイントソフトに搭載されている機能を使って楽をしようということです。
この自動着色を使えば、あなたが線画に色塗りをしなくてもソフトが勝手に着色してくれます。
つまり、作業を大幅に効率化できます!
イラストを描くうえで最も時間がかかる工程は「着色(色塗り)」です。
1つのイラストに少なくとも1時間以上はかかる作業です。
例えば、今回のゲーム用イラストのように、沢山のイラストが必要になると膨大な時間がかかってしまいます。
これを自動化できれば、あなたがめちゃくちゃ効率的にゲーム用イラストを制作できるのは明らかです。
なので、裏技として自動着色でゲーム用イラストを描くのはかなりオススメ。
ぜひ活用してみてください!
自動着色できるソフトを下記の記事で紹介しています。
参考»自動で色塗り!?自動着色(彩色)するソフトの紹介【AI・人工知能】
まとめ:早速ゲーム制作でゲーム用イラストを描こう
今回は「ゲーム用イラストの描き方と注意点」を解説しました。
お伝えした内容をまとめると下記のとおりです。
- ゲーム用イラストはデジタルで描こう
- デジタルイラストにはペンタブとペイントソフトが必須
- ゲーム用イラストを描くときは「線画」「着色」「仕上げ」に注意しよう
- キャラクターイラストはシンプルなものを描こう
- 表情差分を考慮して「全身」と「表情」のパーツは分けて作成しよう
こんな感じでした。
今回お伝えした注意点をよく意識して、さっそくあなたのイラストを使ったゲームを制作してみましょう!